「天鳳×Vtuber杯チーム対抗戦2022」、第4試合は「強者ドラフト枠」。「天鳳十段以上経験」を申請資格とする、ネット麻雀強者のみを対象としたドラフトを行い、選ばれた4名による対戦である。天鳳位のじょにおん!!・マーク2、鳳凰卓東風戦で名を馳せる鳳東のうさぎさん、そして麻雀最強戦などリアル麻雀でもおなじみの山越。いずれも負けず劣らずの強者であり、好勝負必至だ。
第4試合
東家:山越 (チームうしさん) +52.8
南家:鳳東のうさぎさん(チーム太くないお) +62.1
西家:マーク2(チームいばらぎ) +7.4
北家:じょにおん!! (チームあさぴん) ▲122.3
東3局2本場にアクシデント、山越が回線切れとなってしまう。それに気付いたじょにおん!!は、手番を時間いっぱい使って復帰を待った。相手の麻雀外の不運に乗じるのではなく、フェアな状態で勝敗を競う。ネット麻雀打ちのフェアプレー精神が見られた1シーンだった。
すぐに復帰した山越が中南と鳴いてテンパイをするが、そこにマーク2がリーチをぶつける。三色こそ崩れたが親番でドラ3、破壊力は抜群だ。
山越の待ちは既になく、で放銃。マーク2が12000の高打点を決めてトップに踊り出る。
マーク2は南1局でも親の山越とのリーチ対決をドラツモで制し、3000-6000。一気に突き抜けて勝利を確定させたかに見えた。
迎えたオーラス、親のじょにおん!! がわずか4巡で先制リーチをかける。これを素早くチーしたのが山越。一発を消すと共に、ピンズの一気通貫などで前に出る。
かなり遠いところからの仕掛けだったが、待ちでテンパイ(は役なし)。現状3位、トップがチームいばらぎのマーク2で、自分がアガれば最終戦に現実的な条件を残せる、はずだった。
そこに、安パイを切りながら手を進めていた鳳東のうさぎさんが、高目でマーク2を逆転できる倍満条件クリアのテンパイを入れ、リーチをかけた。マーク2は一発を消せたものの、手持ちの牌の種類が少なく、鳴いた後に手詰まる可能性があるため、これをスルー。実際、2番手の鳳東のうさぎさんにも親のじょにおん!!にも放銃はしたくない状況だった。
鳳東のうさぎさんの、三色になるは山に赤が1枚だけ。それがまさか、一発目のツモに眠っていようとは。劇的な倍満ツモで大逆転トップを飾り、チーム太くないおが優勝へと大きく前進する結果となった。
■順位
1位:鳳東のうさぎさん(チーム太くないお) +56.2
2位:マーク2(チームいばらぎ) +34.1
3位:山越 (チームうしさん) ▲32.8
4位:じょにおん!! (チームあさぴん) ▲57.5
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。