今から7年前。
萩原聖人さんがプロデュースした『The萩原リーグ』という麻雀対局番組があった。
麻雀プロはもちろん、芸能人やパチスロライターの方々も出演していた。
この萩原リーグに、剛さんと自分は一緒に出演していた。
萩原さんと剛さんは麻雀のスタイルは真逆。
だが、萩原さんは剛さんの麻雀に対して凄く好感を持っていたのだ。
自分はしないけど、剛さんにしか出来ない『小林剛オリジナル』の麻雀は人々を魅了すると、この当時から誰よりも見ていたんじゃないだろうか。
この萩原リーグは最高の麻雀番組を作ろうというコンセプトがあった。
そのために、麻雀はもちろん、視聴者様の気持ちに立って何が見る人を惹きつけるか、番組収録半年前から様々な練習を行った。
土田さんの推薦で入った筆者と、日本プロ麻雀協会の愛内よしえプロはスタートラインが一緒だったこともあり、毎日反省しながら帰ってたのを覚えてる。
実はこの番組が終わった後、剛さんからこんな事を言われたのだ。
『番組に呼ばれてよかったね。河野と愛内は本当に出てよかったと思うよ』
練習でも本番でも多くを語らない剛さんが、試行錯誤の日々だった自分たちに不意に言ってくれたこの一言は麻雀プロとしての存在意義を示してくれた最高の言葉だった。
改めてありがとうございました!!
U-NEXT Pirates 小林剛
皆様こんにちは!
週末記事担当、最高位戦日本プロ麻雀協会の河野直也です!
今回の究極の決断は12月9日の第二試合!
それでは早速スタート〜!!
U-NEXT Pirates・小林剛
ドラフト1位で入団し、パイレーツの舵を取る船長として、チームの大黒柱的存在。
しかし、今シーズン、ここまで9戦の結果はトップが1回、三着5回、四着3回とかなり苦しい中迎えた10戦目。
気合い十分なはずだと言いたいところだが、小林には感情論はなしでいこう。
南3局、トップの堀とは2300点差と射程圏内。
オーラスの親は堀。
もちろん堀より点数が上の状態でオーラスを迎えるのが理想だが、4000点差以内にいて、堀が伏せられない状況を作ることや、2000点をアガって、脇の2人のツモあがりでも親被りで自身がトップになるルートもあるので、まず目指すべき場所は自身のアガリになるだろう。
配牌を見てみよう。
マンズがで、を引ければ一気通貫の役にもなるので唯一の字牌であるや、孤立牌のやを切る人も多いだろう。
小林の選択は・・・?
打。は自身の役牌であり、重ねても鳴ければ役にもなり、やはなどリャンメンターツを作る種にもなり、対子になればを切ってタンヤオにもなるかもしれない。
を切っても現状メンツになるロスもないので、アガリに特化してる小林らしい選択である。
を引きを切ってタンヤオになる。
もちろん鳴かないで仕上げれば高打点にもなるが、今はあアガがることも重要視されてる局面。2000点は堀を交わせはしないが、500.1000のツモアガリならば、堀を交わしてトップ目で迎えられるので、仕掛けも視野にいれていくだろう。
さてここからが小林の鳴きの真髄。
ドラ仕掛け巧者の小林は何を鳴くのか?
次巡、上家の寿人からが打たれたが、小林はこれをスルー。
ドラ仕掛けの基本は急所から。この手牌、リャンメンの形が多いので、カンチャンやシャンポンが残ってしまう心配がない分どこからでも鳴くのもあるが、ポンと・チーはしていいだろう。
しかし、チーとポンはかなりしない寄りなんじゃないかと思っていた。
は一枚切られたら残り1枚しかなくなってしまうし、・は2度受けの形なので、リャンメン2つの中でも受け入れが狭いのでここは鳴く。
一方、ソーズの部分を鳴くとこの形から鳴いてることが相手からも分かってしまう。
すると好形が残っていることが透けてしまうし、ソーズも打ちやすくしてしまうので、対応されたらしか受けがないので、自力でもキツくなってしまうと考えて鳴かなかったのではないだろうか。
鳴きが苦手な人には凄く勉強になるチーせずに見えた。
2巡後寿人から放たれたのは待望の。
これを小林はでチー。
実はこれ皆様も経験があるのではないか。
とならば、こう鳴くしかないってわかりやすいのだが、はどっちで鳴く?と。
こういう時の小林の思考が聞きたかった。
話を聞いてみた。
『これは難しかったね。
まず、見た目枚数だとは残り6枚、は残り7枚だから枚数ならばでチーだけど、今回は上家の寿人がを切っている。ならばで鳴いた後もを切ってくれる可能性が高いからで鳴いたんだけど、実際を切ってるからも切ってくれそうなんだよね。
だから枚数で行くのもあったなぁと。
また、寿人じゃない人がを切っていてもチーのがしやすいよ。待ちになった時2人は切ってくれるかもしれないに変わるからね。
だから、一枚差ぐらいでは枚数が正義とは全く思ってないんだよねー』と。