届かなかった高宮まりの夢
~紙一重の差に泣いた1局
【A卓】担当記者:千嶋辰治 2023年12月10日(日)
ファイナル2nd stage A卓
東家 鈴木たろう(最高位戦日本プロ麻雀協会)
南家 鈴木大介(日本プロ麻雀連盟)
西家 高宮まり(日本プロ麻雀連盟)
北家 ももたん(アマチュア最強位)
高宮まり。
1st stageでは南場の親番で劣勢を跳ね返し、見事2nd stageに駒を進めてきた。
最強戦に初めて登場してから10年余り。
積年の想いを胸に、二階堂瑠美に続く女性2人目の最強位戴冠に挑む。
序盤の高宮は、高打点の波に翻弄される。
東1局、たろうの4,000オール。
続く1本場では先制リーチを放つも、リーチをぶつけてきた大介への一発放銃で8,000点の失点。
さらには、
大介がリーチ一発ツモピンフ一気通貫の6,000オールを引き和了り、歴代最強位の二人がスタートダッシュに成功。
その後もたろう・大介の牙城を崩すには至らず、高宮は南3局の親番を迎えた時点でわずか800点残りの4番手だった。
この親が落ちたら事実上の終戦。
しかしここから、高宮の長い親番が幕を開けた。
南3局。
高宮はドラのを2枚格納したリーチを放つ。
役有りである上、見るからに苦しい待ちのため一旦ヤミテンに構えた。
しかし、手を緩めれば大介&たろうの「鈴木連合軍」が襲い掛かって来る可能性大。
押さえつけの意味も込めてリーチに打って出るが、ここは流局。
親権を維持して望みを繋いだ高宮。
続く南3局1本場。
3巡目に高宮が切り出したに大介がポンの声をかける。
大介の仕掛けは若干遠い印象。
発声が少しだけ遅めに聞こえたのは、残る手牌の重さに逡巡したせいか?
和了に向かう意思表示をすれば、上家のたろうからアシストを受けることも可能。
そういう期待もなかったわけではないだろうが、
たろうがご覧の好形イーシャンテンに持ち込んだため、トスは中々上がらない。
高宮、この間隙を縫って宣戦布告。
高宮に先回りされてしまうと、たろうも大介も前に出られないしトスも上げられない。
コンビネーションを崩された鈴木連合軍に待ち受けていたのは、高宮の痛烈な一撃だった。
安目ながらリーチ一発ツモドラの4,000オール。
前局のリーチ棒も回収して、上位陣にプレッシャーをかけることに成功した。
続く2本場は高宮の一人テンパイで流局も、それぞれと4,000点差を詰めることに成功。
これにより、高宮の持ち点は19,100点まで回復。
2番手のたろうまでは18,600差。
逆転が現実味を帯びてきた。