【 #神域リーグ2024 第10試合観戦記】リーチの怖さと、強さを知った 怜悧な視線の先に“連覇”の二文字は見えているか【文 #後藤哲冶 】

チームヘラクレスは昨年の優勝チームである。

ギリギリの戦いを制し、見事優勝を勝ち取ったヘラクレス。
今シーズン、ヘラクレス続投となったのは、麻雀でも配信でも2年間松本の右腕となって働いた因幡はねる、ではなく。
レギュラーシーズン獅子奮迅の活躍で見事シーズンMVPを獲得した空星きらめ、でもなく。

松本監督が選んだのは、緑仙だった。
もちろん、松本監督だってできることなら、全員をそのまま続投させたかったはず。
しかし神域リーグのレギュレーション的に、それはできない。
そうして苦渋の決断で選んだのが、緑仙だったのだ。

 

松本監督はこう語った。「去年一番初心者として入ってきたけど、めちゃくちゃ成長したので、今度はリーダーとして頑張って欲しい」と。
確かに、去年戦っている時の緑仙は、どこか不安げな様子で打っていたことが多かったように思う。
努力を続け、成長した緑仙が、今宵どのような麻雀を見せてくれるのか。

チームヘラクレス、新リーダーの初陣だ。

第4節 第1試合

東家 渋川難波 (チームグラディウス)
南家 桜凛月 (チームゼウス)
西家 緑仙  (チームヘラクレス)
北家 える  (チームアキレス)

東1局 まず先制したのは、アキレスのえるだった。

えるはこの形から【白】をポン。
良い発進だと思う。ポン材の【3ピン】【3ソウ】があって、ドラの【5マン】も比較的使いやすい。
2000点になることは多そうだが、速度が段違いなのでこれは鳴くのが有利に見える。

ドラの【5マン】を重ねることに成功。
これで打点が上がる。前巡の【2マン】切りも良い。
【2マン】を使ってターツを作るとなると、ドラ【5マン】が出てしまうこともある。
であれば、【中】を重ねての打点アップを見る、良い選択だ。

結果的にドラと【3ソウ】のシャンポンになり、ドラの【5マン】をツモ!
大きな2000、4000の加点で、まずはリードを奪う。

東2局

親番を迎えたゼウス桜の手に良い配牌が入っていた。
桜はここから、打【2マン】を選択。
麻雀牌の性質上、基本的にはくっつきとして残すべきはより真ん中に近い【2マン】なのだが、こうしておくと、上家から出た【8マン】をチーをすることができる。
今出てもチーはしないだろうが、【9マン】残しは面白い選択だ。

桜が引いたのは、【8ソウ】。待ちは自分で1枚使ってしまっている【7ソウ】と、あまり良くはない。
ここはテンパイをとって、ダマテンに構えた。

2巡経って、嬉しい変化はなく、更に対面のえるから仕掛けが入ったことにより、桜はここでリーチ宣言。
今この瞬間【7ソウ】が出てきてしまっての3900は、少しこの手牌の良さを考えると悲しい。
であれば、リーチで打点を上げてしまうのはアリだ。【5ソウ】を2枚使っていて、他者は若干【7ソウ】を使いにくいのもある。

これに困ったのが緑仙だった。
ここまでは比較的通りやすいマンズを打って来たが、ここで広いイーシャンテンの形に。
【2ピン】【5ピン】【6ピン】【9ピン】を引いたら【8ソウ】は行くと宣言していた緑仙。
ここは【7ソウ】を打って放銃になってしまうかと思われたが。

ここはマンズを切って撤退。
自分が【4ソウ】【7ソウ】を5枚も持っていて、相手に入っていない可能性が高い事。
そもそも自分の手がそこまで高いわけではない事、相手が親であるという事。
様々な要素がかみ合って、緑仙が見事な放銃回避。

その後なんと最後の【7ソウ】を引いてテンパイ。
テンパイ打牌の【3ピン】は勝負して、これでテンパイを取り切った。
大きな1500点の収入。

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