自分の人生の中では
誰もが主人公〜
「聡明なバイプレイヤー」
浅見真紀の挑戦
文・千嶋辰治【金曜担当ライター】2025年1月17日
第1試合
東家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
南家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:浅見真紀(赤坂ドリブンズ)
北家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
Mリーグ記録タイの個人5連勝中の浅見真紀。
個人6連勝の新記録挑戦は、これまで2人のチャレンジャーが涙を飲んでいる。
U-NEXT Piratesの鈴木優、そして渋谷ABEMASの白鳥翔が跳ね返された高き壁だ。
「今日があなたにとって人生で一番大事な対局。」
チームスコアの最大化を至上命題に掲げるドリブンズ。
普段ならば個人記録よりも…というチームオーダーが選手に課せられるはず。
しかし、今日は違った。
この試合が浅見にとって人生で一番大事な対局になる。
だから、その目標に真っ直ぐに向かってほしい。
それがチームメイトの思いだったという。
麻雀プロ浅見真紀をより大きく美しく飾るためには、タイトルや記録という勲章が必要。
Mリーグという大舞台に打ち立てられる金字塔は喉から手が出るほどほしいものだろう。
だから、今日だけは記録にこだわって打つべきだ。
そんなチームメイトの思いに、優しく背中を押された浅見。
期待に応えようと先行する元太の背中をピッタリとマークして終盤まで食らいつく。
南3局。浅見は親番を迎えた。
浅見はトップと7,100点差の3番手。
この点差、浅見はどう感じていたのだろう?
近く見えていたのか、それとも遠く見えていたのか…。
届きそうで届かなそうな…非常に歯痒い距離にも感じられる。
この親番で元太を逆転しておきたい浅見の配牌。
ドラは。遠くに678三色の輪郭がかすかに見えるが、打点的な魅力には乏しく映る。
打点が見えなければ、さっさとテンパイを入れて連荘し、親の配牌をもう1局見たいところ。
その浅見に絶好の。
打として早くもイーシャンテンとなり、親リーチで場を制圧するのは時間の問題かと思われた。
しかし、先手を取ったのは、
松ヶ瀬だ!
4枚目のを軽々とツモ、カンとドラそばの愚形待ちもいとわずにリーチ棒を河へ放った。
対する浅見。
を嫌な形で持たされたが、その両者のくっつきを狙って打。
ラスだけは絶対に引けないチーム状況だったら選択が変わってくるのかもしれないが、今日だけは個人の記録にこだわって良い日。
手痛い失点のリスクがあろうとも、1枚勝負ならば絶対に退けない。
風林火山にとっても、今日のトップは是が非でもという状況であることは変わりない。
ツモればトップに大きく近づく松ヶ瀬の一発目は2…
!
会社が違う!