手負いの猿【Mリーグ2024-25観戦記 1/23 第2試合】担当記者 ゆうせー 猿川真寿 vs 醍醐大 vs 渡辺太 vs 仲林圭

手負いの猿

文・ゆうせー【木曜担当ライター】2025年1月24日

第2試合

東家:猿川真寿BEAST X
南家:醍醐大セガサミーフェニックス
西家:渡辺太赤坂ドリブンズ
北家:仲林圭U-NEXT Pirates

利き手である右手の負傷により、

BEASTXのリーダー、猿川真寿は、

左手での戦いを余儀なくされていた。

「ロン」

「8000」

裏が乗らなければ、3900。

だが、現実は、8000。

東1局の親番で、現物待ちテンパイ。

猿川の【6ピン】放銃は仕方のないものである。

今にも飛び出しそうな、対面太の【5ピン】が恨めしい。

ただ、やむなしとはいえ、

危機的なチーム状況下にある今は、「仕方ない放銃」が、BEASTに熱を向ける者の心をえぐる。

猿川の試練は続く。

東4局2本場では、

対面太のリーチを受けて、この手格好に。

タンヤオのイーシャンテンだ。

だが、手牌全てが太の無筋。

押すのか、引くのか。

そして、攻めるにしても守るにしても、何を切っていくのか。カンする選択肢もあるのか。

苦しいときには、どうして難しい選択ばかりがやってくるのだろう。

猿川は、

【5マン】とした。

イーシャンテンを維持しつつ、テンパイしたとき、あるいは受けがさらに広がったときには、【7マン】をカンしようという戦法だ。

「ロン」

「2600は3200」

【5マン】が太につかまってしまった。

難しい選択ではある。

しかし、

イーシャンテンとはいえ、ソウズ二度受けが残っていて、7枚しかテンパイする牌がない状態だ。

ここから、【5マン】を切るのはリスクの方が勝る印象である。

他に、【5マン】が当たる際にブロックを構成する【3マン】【4マン】【5マン】【6マン】が自身から全く見えていない、というのもある。【2マン】【5マン】のリャンメン待ち、カンチャン待ち、シャンポン待ち、いずれも色濃く残っている。

かと言って、ソウズ二度受け解消ルートの打【6ソウ】は「イーシャンテンから両無筋を押す」ことになるので、これもまた危険だ。

危険、危険と言っていると何も押せなくなってしまうが、両無筋【6ソウ】を切った場合は、さらに無筋の【4ソウ】まで控えている。現状のイーシャンテンから、テンパイして「リターンを得られる状態」にたどり着くまでの道が険しすぎる。

受け入れ枚数の観点、そして【5マン】周りの伸びも残せる(ソウズは【8ソウ】を切っている)理由から「攻めるルート」では、打【5マン】より打【6ソウ】の方がいいように思う。

ただ、いずれにせよ、厳しいものは厳しい。前述の通り、イーシャンテンからリスクを負わないといけない。そして、好形テンパイ確定ならまだしも、そうではない、という面もある。

ここは、最も安全度の高い牌である【4ピン】を切って、いったん迂回するのがいいように感じる。

一般的に、リーチ宣言牌の前に切れている数牌のマタギは、放銃率が下がる。

もちろん、百戦錬磨のMリーガー達が「先切りトラップ」を仕掛けている可能性はあるが、それでも周りが何も切れていない部分よりは遥かにマシだ。

ここは、太が5巡目に【2ピン】を切っていて、そのあと【北】【7ピン】の手出しを挟んでいる。

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