背中を追い、仲間と共に
──受け継がれる魂──
文・小林正和【金曜担当ライター】2025年2月7日
南4局
【全員集合/Zen’in Shūgō】
選手全員の持ち点が2万点台の状況でオーラスに突入する事。
実況・日吉辰哉
「さぁ誰がトップだ!トップだー!2月7日の時刻は21時50分、全員集合です!!」
遅ればせながらも、2025年初のお披露目となった“日吉・語録”。
静まり返る卓上を四者が囲み、張り詰めた空気が支配する中、まるでその緊張を象徴するかのように暗雲が立ち込める。
そして、激闘の結末を告げるべく、天空から雷鳴が響き渡ったのであった。
第2試合
東家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
この試合は予想外の展開で幕を開けた。
東1局
こちらは親番・滝沢、迎えた4巡目の切り番である。
手元には役牌トイツに加え、赤とドラが揃い、早くも巡ってきた絶好のチャンス手──。
ここで、麻雀界屈指の伊達男は…
打でマンズの四連形を活かすシャンテン戻し。
そこに、普段通りのソフト・タッチで手牌に彩りを添えると
2巡後にはタンピン三色・倍満級のイーシャンテンとして返ってくる。それも… 両面×三面張と形も申し分無い。
そして、ここまで育つ過程を見れば、もうお察しの事だろう。更に2巡後の未来…それは、もちろん約束されたアガリだ。
ほら“滝沢”の表情をご覧頂ければ、その様子がお分かり頂ける。
(……ん!? どこか困惑したような表情にも見えるが…。)
よく周りを見ると、“堀”や
“瀬戸熊”までも戸惑いの色が滲む表情を浮かべているではないか。一体、なぜなのだろう──。
その答えは──。
こちら“茅森”の猫めいた表情に隠されていた。
この局、滝沢より先にリーチという頂きへと辿り着いていたのは茅森。1枚切れのと3枚使いのとのシャンポンまちである。狙いは恐らく1枚切れのと考えて良いだろう。
であったのだが…
(まさかの4枚目の一発ツモだニャー!!)
リーチ・一発・ツモ・ドラ… 満貫からの
(なんと裏・裏なのだニャー!!)
あの手が正に僥倖(ぎょうこう)となり、跳満ツモへと昇華したのだった。
これには