渋川難波と白鳥翔。
二人が必死に手繰り寄せた
蜘蛛の糸。その先に
続くのは……
文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2025年3月20日

第1試合
東家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
南家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
西家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
3月18日。

ボーダーであるABEMASのいないこの日、「卓外との戦い」に身を投じた堀がまさかの連続ラス。

サクラナイツは風林火山の下に潜り込み、そのボーダーとの差は230近くまで膨れ上がってしまった。

そして本日、残り二回の直接対決の内の一回目が幕を開ける。
ABEMASからは白鳥、サクラナイツからは渋川。
どちらのチームもトップが遠く不穏な空気が流れる中、「今直接対決で出すなら彼しかいないでしょう」という切り札を切ってきた印象だ。
逃げる鳳凰、追う魔神。そのファーストゲームが幕を開けた。
【東2局1本場】

直接対決とはいえ、もちろん麻雀は二人で行うゲームではない。
セミファイナルに向けての積み上げを狙うドリブンズ・太がくっつき聴牌を見た切りからシャンポン聴牌を即リーチに踏み切る。
→
の切り順になったことから単なる8と8のシャンポンよりもはるかに強いこのリーチに……

降り打たされる格好になったのは渋川。

太への12000の放銃となってしまう。これは大きな痛手だ。
白鳥は渋川の上にいれば安泰という中、渋川はさらにトップでポイントを稼がないといけないという条件も付け加えられているチーム状況。トップと20000点近く離れるのは痛恨と言えよう。

一瞬渋川の眉が引き締まる。チームのきつい展開が現れているかのような放銃であったが……

渋川の心は揺れず。次局、三巡目の役なしカンチャンを場況良しと見て即リーチ。4枚山を見事にツモって裏が一枚と、大振りにならずコツコツ積み上げていく。

渋川が持ってきた【東3局】の親番。しかしここは白鳥が魅せる。
躱すために仕掛け出し、入れた聴牌はカン。しかしここで手が止まる。

白鳥はここで聴牌を外していった。
太がソウズのホンイツ模様、渋川もと両面ターツ落としが見えてソウズっぽく見える。
一枚切れのカンよりも、食い延ばせること込みでピンズ待ちに和了りありとみた。


この選択がお見事!
での和了りより先に、渋川のリーチ宣言牌
を捕らえるファインプレーに繋がる。

互いに自身に出せるものすべて出し切っていく。ひとまずは白鳥優位の点数で東場を終えることとなった。

さらに【南1局】、白鳥がトップ目の太から8000の出和了り。
逆にトップラスの並びを作り、勝負あったかと思われたが……

【南2局】太の速い親リーチに手詰まった白鳥、複数枚打てる端牌を考えた結果、選ばれたは

太への12000の放銃となる!

これで再びこのゲームは白紙に。
そしてその生まれたチャンスを……