逆転劇から頂点へ!
松本吉弘が見せた
勝負師の本懐
【決勝卓】担当記者:喜多剛士 2025年8月23日(土)
麻雀最強戦2025『美女と野獣』決勝戦に進んだのはこちらの4名。
女流プロとしてファイナル最多出場の記録を持つ岡田紗佳。4度目の挑戦に期待が集まります。

7年連続出場を目指す鈴木大介は、麻雀最強戦の勝ち方を熟知した存在。知識と経験を武器に、静かな闘志を燃やしています。

2年ぶりにその姿を見せた加藤哲郎。元プロ野球選手として近鉄バファローズのイメージが強い彼ですが、実は広島東洋カープでの1年間の在籍歴も意外なトリビアです。そんな彼がどのような戦いぶりを見せるのか注目されます。

B卓から決勝進出を果たした松本吉弘。予選オーラスでは四暗刻という劇的な逆転劇を演じ、その勢いをそのまま決勝へ持ち込みたいところです。

東1局、東2局と静かに進行して迎えた東3局では、親・加藤の配牌が厳しい状況でした。対子が2つに加え、カンチャン形を含む苦しい5シャンテンからのスタートとなりました。

しかし、ネックとなるカンチャンのドラを引き込み、さらに対子の
を暗刻にして2シャンテンに到達しました。

最初にテンパイしたのは大介。索子の三面待ちを埋め、カン待ちのタンヤオ・ドラ1へ。567の三色変化を見据え、ダマを選択しました。

松本も絶好のドラを引き込み雀頭に
–
待ちの立直を宣言。立直・ドラ2のテンパイ。

さらに、親の加藤も追いつき、・
のシャンポン待ちで立直を宣言しました。場は瞬く間に三つ巴の「野獣の戦い」へと展開しました。

そして、選択の局面に立たされたのは大介でした。

カン待ちを維持するか、それとも
・
のシャンポン待ちへ切り替えるか彼が選んだのはテンパイ外しの
。危険を承知の上で、大きく形を崩さず567三色同順を見据えたイーシャンテンへの執念が感じられる選択でした。

しかし、最後に勝負を制したのは松本。をツモり、立直・ツモ・ドラ2でファイナル進出への大きな一歩を踏み出しました。
東4局、ドラは。この局面では「美女と野獣たち」の熱い闘いが繰り広げられました。
決勝卓で唯一の美女、岡田紗佳。配牌ではドラが対子で入っており、2シャンテンの状態から早いテンパイのチャンスを掴みました。

一方、親の加藤は789の三色同順が見える形に進行し、同じく2シャンテンまで進展。一筋縄ではいかない気配が漂います。

トップ目の松本はをポンした後、
をチーしてイーシャンテンに到達。局を早く進行させたい狙いが明確でした。

岡田はその後、・
と連続で引き込み、
–
の待ちで立直を宣言。山には
–
が7枚残っており、彼女の勝機は高まります。「美女が3人の野獣を狩る」瞬間が訪れるのかと思われました。

しかし、ここで野獣・加藤が反撃。–
を引き入れてドラの
を切り、カン
の三色同順で立直を打ちます。勝負は再び混沌に。

そして、トップ目の松本も2軒立直のプレッシャーを受けながら、熟考の末にを切りの押しを選択。3者3様の戦略が火花を散らす展開となりました。

この熾烈な闘いを制したのは岡田。

を掴んだ加藤が痛恨の放銃となり、立直・ドラ2・裏1で8,000点を獲得。「美女が野獣を狩る」見事な勝利となり、この局を大きく加点して締めくくりました。
南1局、ドラは。岡田が東4局の満貫アガリに続き、さらに大きなチャンス手をつかみます。

その手牌はホンイツ・ダブ・
にドラを絡めれば跳満も見える好配牌。彼女の存在が場に緊張感を漂わせます。
まずはを仕掛けてホンイツへと進んだ岡田。

この動きは、先手を取るための意欲的な一手。そこから、をツモりダブ
・ホンイツ・ドラの満貫聴牌に到達し、勝負に挑む姿勢が伺えます。
一方で、加藤はを打って早々に撤退を決断。その豪快な見た目とは裏腹に、緻密で繊細な打ち回しが光る選択です。この動きで岡田は
を手にするのが難しくなり、カンチャンドラ待ちという厳しい形を継続する事になります。

一方、親の松本が勢いを見せ、を引き入れて
–
待ちの立直を仕掛けます。

その直後、一発で岡田がを掴み、放銃。

裏ドラも1枚乗り、松本は立直・一発・平和・ドラ1で12,000点という圧巻のアガリを決め、場を一気に支配しました。
これで松本は大きく加点に成功。勝負の流れが彼のものとなった瞬間でした。