闇夜に潜んだ痛撃
三河の猛将、
永井孝典は仁君となるか
文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年10月27日
今シーズンからEX風林火山に加入した永井孝典は、ここまで非常に調子が良い。
スコアを伸ばしてから一度4着こそ引いたものの、前回は早速それをリカバーするトップを獲得。
ここまでは実に充実した成績を見せていると言って良い。
『三河の猛将』という2つ名をもらった永井。
今日もその名に恥じぬ、猛攻を見せることができるか。
第1試合
東家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
北家:永井孝典(EX風林火山)
東2局
東1局で伊達が加点した後、2本場で日向の早い仕掛けに3900の放銃となってしまった永井。
ここは上家の日向から切られた役牌
をスルー。
これを仕掛けると基本2000点になってしまう上に、アガりやすさも大きく向上しているとは言い難い。
特にドラ周りの愚形部分が苦しい。
永井は10巡目にカン
を引き入れて
の対子に手をかけた。
カン
の部分はドラ表示も含めて2枚見えているが、それでもこちらの方が打点的価値がある。
見事
を引き入れてテンパイ。
カン
は見た目通り2枚山に残っていた。
が、これはアガれず。
ただ、永井の打点を見た面前での攻撃的姿勢はしっかりと感じられた一局だった。
東3局2本場
永井が圧巻だったのはこの局だった。
ドラが
。
永井には赤赤ドラの良い手が入っていた。
しかし先制リーチは親の日向。
親でピンフドラ1のリーチが打てれば十分か。
同巡、伊達が1枚見えているカン
で追っかけリーチを敢行。
親に対してリーチドラ1愚形で追っかけるのには勇気がいるが、トップが偉いMリーグのルールだからこその追っかけリーチ。
12巡目永井がこの
引きでイーシャンテンにたどり着く。
ただ、場はもう既に親を含む2人からのリーチを受けていて、浮いている
はドラ。
は親の日向のスジで通りそうだが伊達には通っておらず、
も日向の現物だがこれまた伊達には通っていない。
模打(打つ動作、ペース)の基本速い永井が、珍しく時間を使った。
候補は、
か、
か、はたまた
か……。
永井が選んだのは。
ドラの
切り……!
三河の猛将の一打が火を吹いた。
一番自身の手都合の一打。タンヤオのくっつきを最大に広げて、大勝負。
打てば甚大な被害は免れないこの一打を、2人リーチに対してできる胆力は凄まじい。















