病み上がりでも仕事きっちり 軍師・勝又健志の万全なる試合消化【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/14 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 東川亮

病み上がりでも仕事きっちり 

軍師・勝又健志

万全なる試合消化

文・東川亮【バックアップライター】2025年11月14日

10月29日、勝又健志が自団体の対局中に体調を崩して続行が不可能になるというアクシデントがあった。診断は虫垂炎で、手術を行い1週間ほど入院。まずは無事回復して戦列復帰したことを喜ばしく思う。

ちなみに虫垂炎の手術の際にはヒゲを剃られるらしい。

こちらが10月27日。

こちらが11月14日。

直前の出番のときと比べてヒゲが薄くなっているのがお分かりだろうか。近々取材する予定があるので、ヒゲについてのこだわりも少し聞いてみたい。

それはさておきて、勝又離脱に奮起したのか、EX風林火山は11月上旬に勝ち星を重ねて首位。麻雀ではポイントを持っているほうが選択肢が増えるが、とりわけ勝又は「軍師」の異名をとるほどにその引き出しが豊富であり、使いどころも的確。ある意味で、彼の持ち味が最も発揮される局面が今の状況と言えるだろう。

第2試合

東家:勝又健志(EX風林火山) 
南家:石井一馬(EARTH JETS)
西家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)

試合の主導権を握ったのは一馬。

東2局で3巡目リーチの一人旅から満貫をツモると、東2局1本場には【2ソウ】【5ソウ】【7ソウ】ではなく【3ソウ】【7ソウ】のシャンポン待ちでリーチをかけ、園田・勝又を振り切って三暗刻ツモ、連続の満貫で他を大きく突き放す。

東3局には全員が【3ピン】待ちの3軒リーチ対決を制して3発目の満貫を決めると、

その後は園田に的確に差し込むなど盤石の局回しを見せ、そのままトップを獲得した。

勝又ももちろんトップを取れるなら取りたいが、それが難しいとなったときに、一つでも上の着順を取ることが上手な選手。この試合でもいろいろな工夫が見られた。

局はさかのぼって東2局2本場、ドラを引いての1シャンテンから選択。

受け入れの広さは【4マン】【8マン】、少し狭くなるが【9ソウ】を切ればタンヤオが確定して、マンズのカンチャン埋まりはソーズの多メンチャンテンパイになるが、勝又は【4マン】を切ってマンズのリャンカン形を外した。赤を含めた【5マン】受けがなくなるものの、【7マン】は各者が序盤からマンズの上目を切っていて、待ちとしてはかなりよさそう。

【8ソウ】を引いて、カン【7マン】待ちテンパイ。同じテンパイになっていたとしても、リーチ宣言牌が【4マン】だと【4マン】【6マン】【8マン】からの打【4マン】リーチが読み筋に入るが、この切り順なら印象は少しぼやける。

この【7マン】待ちが山に残り2枚、これをしっかりとツモって裏1のハネ満を決め、2着目に浮上。

前述した東3局、3人が【3ピン】待ちのリーチ対決の場面では、勝又が最初に【3ピン】待ちのチートイツでテンパイしていた。

そこに一馬が【3ピン】【6ピン】待ちのテンパイでリーチ。宣言牌が2枚切れの【東】ということで良形テンパイと推測でき、そうなるとピンズの真ん中は待ちとしてかなり濃いところになりそう。

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