21,000点 VS 68,000点─
そしてなぜ上位チームは勝ち続けるのか
文・渡邉浩史郎【月曜担当ライター】2026年3月2日
第1試合
東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
試合展開に紆余曲折はあれど、最後はこの局に集約した。
南4局、高宮と園田は同点、和了ったほうがトップ。茅森はマンガンツモ。松本は親連荘による無限の加点。
チームポイント的に余裕があるのは高宮ただ一人、後の3チームは喉から手が出るほど欲しいこのトップ。
親の松本の手は悪くない。まずは連荘、オタ風の
から切り出す。
高宮は678の三色やタンヤオが遠くに見えるものの、今すぐ仕掛けて躱せるほどの手ではない。
そして園田の配牌がこちら。
こちらも高宮と同じ、三色2種やタンヤオ、役牌が見えるが高宮と違って保留できるオタ風がない。深く考えた結果、園田は……
を選択した。
タンヤオの効率はかなり落ちるが、この絞られにくい局面での字重なりは逃せないという判断だろう。
とはいえ間違いなく普通の一打ではない園田オリジナル。この一打が……
茅森のカンチャンチー発進となる。打
でホンイツ役牌ドラのマンガンは、ツモってトップ。
園田は手が進んでここから
を選択。
とはいえ
が2枚切れ、
が一枚切れのこのイーシャンテンは端的に言ってイーシャンテンとは認めたくない。
切りで123の三色含めてすべてを広く構える手もあったが、茅森に
を仕掛けられるのもいやだというジレンマ。
ここで仕掛ける形はソウズの一気通貫オンリーに絞る。
高宮は手が進んでここでドラがらみのペンチャンターツを外していく。打点よりも何よりも、とにかく今は和了り易さ優先。
そして高宮にさらなる選択。
を切ってリャンカン両面に受けると三色のチーテンも取れるイーシャンテンになる。
しかしここであえて
を切って見ると、2枚切れのカン
の受け入れを失う代わりに
切りと比べて両面変化する牌が![]()
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と格段に増える。
形だけで見た時、目の前の聴牌受け入れよりも二次変化量を重視すれば、
切りがどれだけ優秀かがわかるはずだ。
しかし高宮の選択は打
。
これは今回![]()
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がかなり見えていること、2枚切れの
がちょっといいこと。
そして何より、チーム状況的に取りこぼした2着が許容されるという心の余裕が一番大きそうだ。
例えばボーダー近辺のチームであれば、本当にこの半荘がトップかどうかのポイントでそのままセミファイナル進出が決まりかねない。
「このトップがあればこの後の試合の選択でハイリスクを取る必要がなかったのに」といったところまで含めれば、いよいよ失敗が許されないことがわかるだろう。
しかしKONAMIからすれば、例えばこの局面で
を引いてカン
待ちやカン
待ちでリーチすることにすらボーダーチームほど抵抗感を感じないだろう。なぜならばチーム戦として考えた時にこの選択で大失敗になる未来(=レギュラーシーズン敗退)が存在しないからである。
トロッコ問題でよく言われるが、人は選択を嫌う傾向にある。まして自身の選択で、チームが敗北する可能性があるなんて大プレッシャー下で、人はどこまで運否天賦の選択をし続けられるであろうか。
レギュラー終盤に上位チームがなぜ勝つのか?それはすでに上位チームが勝ち戦を始めていることが、間違いなく理由の一つであろう。
結果だけで言えば、どの選択をしてもここで皆合流しているだろう。とはいえ高宮の選択に、上位チームの余裕を垣間見させられた。
そんなKONAMIとは違い、ここが正念場のABEMAS松本。イーシャンテンはどこまでも広くなるものの、とにかく聴牌が入らない。
リーチとさえ言ってしまえばなのに、ここまで誰よりもリーチを打ってきたのに、この局面だけまだ手が届かない。
チーム事情は園田とて同様。下家の茅森の手を進めないように、慎重に慎重に手を進めていく。
そして昨年の優勝チームセガサミーフェニックス。
ここでABEMASより着上であれば事実上の当確レベル。さらに上を目指せるツモってマンガンの聴牌を入れる。














