【熱論!21人のMリーガー】瀬戸熊直樹・チーム雷電〜直球だけじゃない!変化する暴君の麻雀〜

熱論!21人のMリーガー

瀬戸熊直樹・チーム雷電

〜直球だけじゃない!

変化する暴君の麻雀〜

文・真中彰司【TEAM RAIDEN担当ライター】

 

Mリーグロスの皆さまへ贈る、Mリーガー徹底分析コラム。

TEAM雷電から続いての紹介は、“卓上の暴君”瀬戸熊直樹選手だ。

ここまで20半荘を戦い、トータルでは▲98.9ptで個人15位。

その内訳はトップ5回、2着5回、3着3回、4着7回と、ややラスが多い様子。

なお和了率は19.43%で、放銃率は10.93%である。

開幕当初からトップラス麻雀が続いていたが、11月になって上り調子に。

一時は100ptを超えて個人成績も好位置につけていたが、12月はトップ無しで4着が4回。

少々辛い状況で年末を迎えることとなっている。

瀬戸熊の特徴といえば、なんといっても上がりに向かって猛進する真っ直ぐな手順だ。

 

11月1日㈭ 第2試合

親の松本のリーチに対し、自分もドラ3の勝負手。

目にも止まらぬ速さでをツモ切っていく。もちろん無筋だ。

更にをチーして満貫のテンパイを取ると、もゴリッとプッシュ。

当然ながら無筋である。しかもドラ跨ぎ。

続くもノータイムでスパーンと切り飛ばす。実に気持ちの良い押しっぷりである。

このように、勝負に行くと決めたらどんなに危険と思える牌でも押し通す。

それが瀬戸熊直樹の麻雀である。

正直なところ、瀬戸熊が赤アリ麻雀をどう戦っていくのか、開幕前は想像がつかなかった。

腰の重い雀風なので、スピードでついていけないのでは、という意見もあった。

しかし、現在はそのイメージを見事に払拭している。元々の豪快な攻撃の中に上手く緩急を取り入れ、赤入りのルールに適応させて戦っている印象だ。

画像は勝又の仕掛けに対応してスピードを合わせに行った場面。

対子のを落として2000点の喰いタンに向かっている。

A1リーグやRTDリーグではなかなか見られない仕掛けだ。

別の半荘では、満貫の見えるこの手牌でも、ポンから仕掛けていく場面もあった。

この手材料で3900を狙いに行く瀬戸熊も、視聴者には新鮮に映ったのではないだろうか。

このように鳴きも取り入れ、オールラウンドな打ち筋を見せてくれた瀬戸熊だが、もちろん雷電の信条「魅せる麻雀」も忘れていない。

視聴者を沸かせるアガリもしっかりと魅せてくれた。

 

11月15日 第1試合

この試合の時点で雷電は最下位で、なんとしても連対が必要なところ。

しかし瀬戸熊はなかなかチャンスをつかめず、ついにオーラスまで来てしまった。

オーラス、満貫ツモで2着に浮上できる状況。

ドラがのため、123または234の三色を見てあたりから切り出しそうだが…

瀬戸熊の選択は234の三色に絞る打

まるで答えを知っているかのようにドラを切り飛ばした。

そして着々と手を進め、あっという間に高めタンピン三色のリーチがかかる。

バチン!と卓上にイナズマが走った。

高めを一発でツモり、裏も乗せて完璧な4000-8000。

この日を境に雷電は急浮上し、最下位を抜け出すどころかプラスにまで返り咲いた。

きっかけは間違いなくこの瀬戸熊の一発ツモだ。

点数としては素点16pt+順位点20ptで36pt分のアガリだが、私には少なくとも60pt分、いやそれ以上に価値のあるアガリだったように思える。

また、近藤とのツモり合戦になった四暗刻テンパイも記憶に新しい。

12月20日㈭の第2試合オーラス

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