熱論!21人のMリーガー
魚谷侑未・フェニックス
鳥じゃなくても飛べるはず!
マーメイドの圧倒的努力
文・masasio【セガサミーフェニックス担当ライター】
女流麻雀プロにさほど興味がない私でも名前は知っていた。
「強い女流プロは誰か?」という話題になると必ず名前が挙がっていたからだ。
「ふーん。女流でも強い人もいるんだな。」その時はそう思っただけだったと思う。
もちろん顔も知らないし、名前の読み方も分からない。
それくらいの認識しかなかった魚谷プロを、今年こんなに目にすることになり、まさか観戦記まで書くことになろうとは、この時の私は知る由もなかった。
2018年は魚谷にとって飛躍の年になった。
まず3月に、日本プロ麻雀協会主催の「日本オープン」で優勝。
日本オープンは、プロアマ、男女混合のオープンタイトル戦で赤牌が入っていない以外はMリーグと同じルールのタイトル戦である。
同じくMリーグで戦う、多井隆晴や村上淳も獲得しているビッグタイトルだ。
続いて4月には、自身が所属する日本プロ麻雀連盟主催の「日本プロ麻雀シリーズ2018」でも優勝。
こちらはチーム雷電で活躍する、黒沢咲が3連勝で優勝は決定的かと思われたのだが、最終の4回戦で黒沢とトップラスを決め、90pt近い差を逆転しての優勝だった。
10月に入ってMリーグが開幕してからも魚谷の勢いは止まらない。
11月25日連盟主催の「王位戦」でまたしても優勝。
一発裏ドラ無しのいわゆるAルール。
続く女流桜花では惜しくも優勝には届かず、準優勝となったが、これで2018年、年間三冠。
しかも、女流プロのタイトル戦あり、一発裏ドラあり、一発裏ドラ無しどちらのタイトル戦でも優勝している。
麻雀のタイトルというのは、一生かけても取れない人の方が多いといわれるくらい獲るのが難しいものだ。
一つ獲るのでも難しいのに、一年で、しかも三つも獲ってしまうというのは本当にすごいと思う。実力はもちろんのこと、勢いなども必要だと思うし、何より対局がめちゃくちゃ多いので、体調管理も重要だろう。私のようにすぐに風邪をひいている場合ではないのだ。
いくら魚谷が強いと言っても、初めからこれほど強かったのだろうか??
そう思って、昔の魚谷をよく知る人物に、昔の魚谷について聞いてみたのだが、まあこれがまたすごかった。
・週6日12時間麻雀店にて勤務
・店長が麻雀を打っているときは後ろ見
・疑問点は全てノートにメモ
・自分が麻雀を打つときは全部後ろで見てもらって、ダメ出し
・週1日の休みは、あちこちでセットや勉強会に参加
やはり強くなる人は努力しているのだ。
非常に耳が痛いが、この話を聞いてますます魚谷を応援したくなった。
やはり努力して強くなった人には共感できるし、自分も身が引き締まる。もちろん私はプロでも何でもないが、麻雀を打つ以上は、少しでも向上心を持って取り組みたいと思う。
さて、2018年勝ちまくっている魚谷だが、肝心のMリーグではどうなっているだろうか。
一応これはMリーグの選手紹介コラムである。
2018年の試合を終えての成績がこちらだ。
残念ながら個人スコアがマイナス3桁を超えており、現在19位。
下から3番目だ。
一見、かなりマイナスしているように見えるが、Mリーグのルールではトップのボーナスが大きく、4万点のトップでもプラス60のトップになる。
2回トップを取ればほぼチャラということで、全く焦ることはないだろう。
魚谷の対局はほとんど見ているが、これといって大きなミスが見られないのが特徴だと思う。
苦しい配牌、苦しい展開が続いているが、非常に丁寧に打っている印象だ。
このままの調子で打っていただければ、いずれチャンスが来ると思うので期待したい。
セガサミーフェニックスは現在-174ptで最下位。
ファイナルステージ進出となる4位まで90ptほど離されている。
魚谷はマイナス。茅森もマイナス。近藤も直近2戦でラスラスとプラスを吐き出してしまった。
ポイント的にはまだそこまで離されていないが、もう後のない最下位。
このタイミングで年末年始の休みに入ったのは良かったのではないだろうか?
リフレッシュして2019年の対局を期待したいと思う。
振り返りって開幕戦。
魚谷は苦しんでいた。
全員がドラフト1位の対戦。
全員が初めての経験。
そんな中、魚谷は苦しんでいた。