麻雀最強戦2019
男子プレミアトーナメント
「空中決戦」【決勝卓】
“ゼロ・システムと魔法と、
時々ロケットランチャー”
園田賢、ZERO、石川遼、
蛯原朗の息詰まる攻防
【B卓】担当記者:真中彰司 2019年6月23日(日)
今回で男子プレミアトーナメントも3回目。
前の2回とはガラッと毛色が変わり、「天鳳」で名を馳せた選手たちが多く登場する予選となった。
そんな激戦の予選卓を勝ち抜いてきた、4名の選手を紹介しよう。
まずはA卓1位通過、
「天鳳位に最も近い男」ZERO。
天鳳十段に5度到達し、麻雀戦術書「ゼロ秒思考の麻雀」を出版するなど、幅広い活躍を見せている強豪雀士。Mリーグ観戦記でもお馴染みの男がついに最強戦にやってきた。
予選A卓では初代天鳳位・ASAPINこと朝倉康心から奪った点棒を守り切って1位通過。
決勝でもゼロ・システムが炸裂するか?
続いてA卓2位通過、
「最速の天鳳位」石川遼。
解説の山田独歩プロ(3代目天鳳位)に続く4代目天鳳位。
歴代最速の2404戦で天鳳位まで駆け上がった。
その雀風はまさに林の如し。天鳳では珍しい門前守備型で、重い一撃で試合を決める。予選A卓ではただ1度のアガリ(1300-2600)で2位に食い込んだ。
非常に腰の重い打ち手だが、トップ取りの麻雀ではどのような打ち回しを見せるのか。
3人目はB卓1位通過、
「卓上の魔術師」こと園田賢。
Mリーグでは赤坂ドリブンズのポイントゲッターとして活躍し、チーム優勝に大いに貢献。実は第17期麻雀最強戦で決勝に進出している。
その打ち筋は実に変幻自在。特に予想外の鳴きで相手を惑わせ、鋭い選択でアガリやテンパイまで持ち込む様は「魔法」と形容されるほど。
予選B卓では存分に実力を発揮し、相手の決定打を完璧に阻止して1位通過。決勝戦でもSONODAマジックに期待だ。
4人目はB卓2位通過、
「ミスター新人王」蛯原朗。
プロ連盟の第24期新人王であり、さらに第1回のモンド新人王でもある。モンド杯のイメージが強いが、天鳳十段に2度到達している。
予選B卓では手が入らずに苦しんだが、オーラスに満貫条件をクリアして逆転通過。初アガリで決勝進出という、とにかく「初物」に縁のある雀士だ。
つまり初出場の今回が最大のチャンスか…?
3枚目の切符を賭けて、決戦のゴングが鳴り響いた。
まずは石川が挨拶代わりのジャブ2連発。
東1局はツモのみで300-500のアガリ。
東2局では確定三色を待ちのヤミテンに構え、園田から2600点のアガリ。
2局とも守備を重視する石川らしい選択だった。しかし東1局はともかく、東2局の確定三色をリーチしないのはいささか勿体ないように感じられた。
トップ取りのこの半荘では、高い打点でリードを取れば一気に有利になる。それが自分のスタイルだと言われればそれまでなのだが。
そして続く東3局、局面が大きく動いた。
園田がドラ1の手をカンでテンパイ。
の切れ具合から、索子の下はアガリが見込めると読み、即リーチといった。
蛯原も応戦していたが、園田の高精度のリーチに屈しやむなく撤退。
もはやお馴染みとなった、このリーチ後の回転ツモモーション。
園田の場況読みはズバリ的中し、スルッとアガリ牌を手繰り寄せた。