熱論!Mリーグ【Tue】
和久津の復調、盤石の近藤
年末年始で覚醒した
フェニックスの躍進劇
文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2019年12月17日
あけましておめでとうございます。Mリーグもオフシーズンに入ったこの年末年始、皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。
私の方は2020年初の半荘で景気よくなんと初役満……をアガれるわけもなく、あえなく箱下のラスからスタート。おまけに今年は本厄らしいです。
さて、この場をお借りして新年の抱負をば。プロとしては半年を経て向かえた新年、自分が観戦記に書いてもらえるような対局に出られるように。また、観戦記ライターとしては残りの試合もMリーグの熱狂を外に伝えられるよう、試合に負けないくらいの熱を込めた面白い記事を皆さんに届けていけるように頑張りたいと思いますので、本年もよろしくお願いします。
年始の挨拶はこの程度に、休み明けでなかなかエンジンがかからない時期だが、Mリーグの方はお正月明けだからといってダレている暇など当然ない。各チームとも残り試合は40戦を割り、まさに佳境へと差し掛かってきているところだ。冬の寒さも吹き飛ばすくらい、戦いがますます加熱していくことは間違いない。
では、本日の試合を見ていくこととしよう。
年明け初登場となったのはセガサミーフェニックスとEX風林火山。
特にフェニックスは長い長い暗闇を抜けての和久津の初トップが記憶に新しい。チームとしては懸念材料だった部分にも光明が見え、連勝でつないでの4位ではあるが敗退ラインもそれほど遠くはない。まだまだ安心できない位置だ。
1戦目
北家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
第1戦目はその和久津が登板。ここで復活を決定づけられたならチームの起爆剤ともなる。新年一発目、和久津としてもチームとしてもここは勝負所だろう。
【東3局】
ここまで静かに局が進んできた中で和久津の手がこちら。
ドラのこそ一枚あるものの、それ以外では打点が見にくい。
4巡目にを持ってきた、ここで……
打。一盃口や七対子にいったん見切りをつけるも、タンヤオやピンフ、234の三色、ドラのすべてを捨てないゆったりとした選択だ。
どうせスピード感がある手ではないため、シャンテン数落としのデメリットもそこまで気にならない。
を重ねて打。
を引いて打と、ゆっくりながらも理想形が見えてきたところで……
前原からの先制リーチ。赤1で愚形ながらカンは悪くなさそうに見える。
さらに親の両面チーを受けて、和久津の手番。ドラを重ねて打点が見える手になった。現物の部分を落としにかかる。
そしてテンパイ!ここは当然リーチだ!
ここに一発でをつかんだのは前原。
ドラでの一発出アガリなら12000までハネていたが、ここは8000のアガリ。静かな局面が一気に動いた。
【東4局】
ここでも和久津の選択が光る。
親番で13巡目。七対子のイーシャンテンのところに持ってきたのは一度切っている。ここは……
フリテンのを残してを打っていった。
これは受けの一打。注目したいのは前原の河だ。
(牌譜は、トガシの麻雀X研究所からいただきました)
ドラのを切っているうえに、生牌のをツモ切っている。
切り出し的には当たらなさそうだが、自分の手は親とはいえドラも赤もない七対子のイーシャンテン。レアケースとはいえ、この形から放銃に回るのはやってられないだろう。
二枚切れになったの役割も薄く、も誰かが対子でなければ1枚は山にいそうだ。