熱論!Mリーグ【Fri】
その迷える指先が止まったのは
20秒後…
失敗や重圧から学んだ
白鳥翔の「覆す力」
文・masasio【金曜担当ライター】2020年1月31日
連日熱い戦いが繰り広げられている中、今日は1月最後の試合開催日だ。
今日の出場選手は誰かな?とスマホを見ているとこんなツイートが流れてきた。
何だって?将棋棋士の森内俊之さんにサインをいただいただって?
将棋ファンの方には森内さんの凄さは語るまでもないのだが、「将棋のことは良く分からない」という方に分かりやすくお伝えすると、2018年に国民栄誉賞を受賞した“あの”羽生善治さんと、将棋界最高峰のタイトルの一つである「名人戦」において9度も闘い、そのうち5度勝利しているという大棋士である。
もちろん大棋士の先生からサインをいただいたからといってトップが取れるわけではないのだが、種目は違えども同じ頭脳スポーツのプロ同士として、刺激を受けたことだろう。
今日のABEMAS、多井隆晴は注目だな。そう思って試合を見ていたのだが・・・
勝負手がことごとく実らず、手痛いラス。
それも南3局、南4局とマンガンを放銃してしまいハコ下の大きなラスとなってしまった。
1戦目を終えたチームランキングがこちら。
試合開始前は4位だったのだが、1戦目のラスを受けて順位を6位まで下げてしまった。
次の試合でラスを引こうものなら、7位の風林火山がもうすぐそこまで見えてきてしまう。
チームの逆境を覆すべく送り込まれたのは、この男。
白鳥翔だ。
苦しいチーム状況の中、個人第5位の151.3ポイントを稼いでいるABEMASのポイントゲッターが送り込まれた。
個人第5位ということで一見好調に見えるのだが、実は今年に入ってから少し調子を落としている。
1月の成績が、4位、3位、4位、2位、3位でいまだノートップ。
130ポイント以上を吐き出している。
130ポイント負けてなお150ポイント勝っているのだから凄いというしかないのだが、白鳥本人にしてみればあまりいい気分はしないだろう。
1月最終日にトップを取って悪い流れを断ち切るのか、このままズルズルとマイナスを積み重ねて貯金を吐き出してしまうのか、白鳥にとっても、ABEMASにとっても正念場と言えそうだ。
2戦目
東1局
白鳥の印象として「手数が少ない」ということが挙げられる。
データで見てみると、アガリ率こそ17.8%とMリーグ平均よりやや低めだが、フーロ率は23%でやや高め。
(Mリーグ成績速報様@mleague_results より引用)
そんなに偏った数字にはなっていないのだが、なぜか手数が少ない印象がある。
そんな白鳥に好配牌が入った。
2メンツ完成しており、ドラのも使える形だ。
素直にから切り出す。
ジュンチャンが見えるイーシャンテンになったところでをツモ。
ドラを使い切るならを切るところだが、白鳥は少し考えてをツモ切った。
まだ3巡目だというのにが3枚見えており待ちの感触が良い。
また、瀬戸熊がを、前原がを切っており、カンにも手ごたえがあったのだろう。
捨て牌の状況のことを「場況」と呼ぶが、白鳥は場況を活かしての選択が非常にうまい打ち手だ。
狙い通りを引いてテンパイ。