ちょっと目をこすっているうちにここまで手が育った。を落として筒子の混一色に向かう。
を引き、これでかでポンをすればテンパイが入る格好に。
黒沢から出たをすかさずポン。を切ってとのシャンポン待ちになった。
を持ってきた村上の手が止まる。前進するにはかを切らないといけない。を打つと白鳥の手牌が開かれてしまう。
白鳥の手は筒子の混一色が濃厚なのだが、テンパイしているかはわからない。まだ手の内から筒子が出ていないので、イーシャンテンと読むのも自然だ。ならば今のうちに切ってしまいたいという考えにつながる。
熟考の末に村上はを抜いた。白鳥の手はもう危ないと見た。こうなるともう絶対に振り込まないモード。ドリブンズファンは安心の目で見ていたことだろう。
対照的に戦う姿勢を見せていたのは藤崎。こちらは点数がない上に勝負したい形だったのが要因といえる。無筋のをスッと切った。
続くも軽やかに切っていく。
黒沢は現物のを抜いて回る。いくら親で手が高くとも、ここはさすがに踏み込めないところ。藤崎のが強いため、ダマテンが入っているのではとも読めるからだ。
どこまでも行きそうだった藤崎もを引いてストップをかけた。を切ったのならも行くんじゃないかと思ったが、終盤のリスクがあるし、いかにも待ちになりそうなところだった。
この局は白鳥の一人テンパイで終えた。ここで白鳥がアガっていたらガラリと展開が変わっていただろう。3人の守備意識があったことで場の均衡が保たれている。
ここで小休止。この日は1戦目が2時間30分近くかかったロングゲームだった。解説陣の方々もお疲れさまです。ダブル解説はいいぞ。もう少しこの3人の画を見ていたかったと感じたのは筆者だけだろうか。
南2局はライバルの藤崎の親を全力で落としにかかった白鳥が、村上から2000は2300のアガりで局を進めた。放銃した村上も局が進むならOKだろう。鳴いて→とドラのターツを落としていったので、安い手であるのはミエミエ。二人の思惑が一致した結果といえる。
南3局はひとつ幻のドラマがあった。上図の黒沢の手は七対子イーシャンテン。ただ、を暗刻にしており、そこはかとなく例の役が見えてこないだろうか。
そこに白鳥が待ちのリーチをかける。相当強い待ちであり、白鳥のアガりは時間の問題に思えた。
黒沢の元にがやってくる。これで二つ目の暗刻ができた。ひとまず打としておく。
今度は通っていないを持ってきた。ここでを勝負。一応の暗刻があるので当たりづらい牌ではあるが、周りからすると迫力があるように見えたと思う。藤崎と村上はなおさら向かえなくなり、勝負は白鳥と黒沢の一騎打ちに。
それにしても白鳥がツモらない。ただ、どんなに巡目が経とうと白鳥が勝勢であるため、黒沢にはあまり注目していなかった。
黒沢はに続いてと、二つ目の通っていない牌を持ってきてしまった。「1個なら勝負するが、2個はきつい」というのがベターであり、さすがにここでギブアップ。対子のを落としていった。筆者はもう完全にオリたと思い、顔を洗う余裕まであった。しかし。
この図を見ていただきたい。巡目が進んで暗槓のも落としていっているのだが、仮にまっすぐ歩み続け、の対子との暗刻を残していたらどうなっていたか。そうこのツモで四暗刻ができていたのだ。
さすがの黒沢も「あっ」といった反応が漏れていた。これは悔しい。あまりにも悔しい。こうなるともうなんだか、なかなかツモらない白鳥のせいに見えてしまう。思わず目が充血してしまった。
四暗刻は関係なく、この手がアガれなかったのは白鳥にとってもかなりの不運だった。やはり3人がきっちり放銃を回避したのも大きい。
そしてオーラスは藤崎が逆転の満貫を決め、3着に浮上した。この結果、トップは村上に。1戦目と違ってスピーディーな勝負となったが、各々の守備、ちらりと姿を見せた役満の影など見どころは多くあった。
村上は苦しいチームに望みをつなげるトップを獲得。1戦目は瀬戸熊の「クマクマタイム」によってトップを奪われたが、ドリブンズも誰かがそうなればすぐ6位に追いつくところまで迫っている。今シーズン中に「ムラムラタイム」が発動するか見てみたい。
秋に始まったMリーグも終盤を迎え、そろそろ春がやってくる。花粉症持ちの筆者にとってはつらい季節がやってきた。あっ、最近体調が悪かった理由ってもしかして。