一見すると地味にも見えるアガリだが、危険牌を何枚も押し切った、白鳥の胆力がもたらした価値あるアガリだ。
連荘して迎えた南1局1本場、
白鳥はカン
で積極的にリーチ。ツモってきた
を暗カンして、リンシャンから持ってきたのは
。
しかしこれがタンヤオで仕掛けていた茅森のカンにストライク。白鳥はなかなか突き放すことが出来ない。
続く南2局も、
上家滝沢のリーチを受けながら自身も
単騎のテンパイを入れ、またもやを果敢に暗カン！
その後、
を持ってきて、白鳥は長考に入る。
この局では、は宣言牌
のスジでも通常より危険度が上がる。なぜかというと、白鳥の目からが4枚見えているため、滝沢が
や
などを複数枚持っていたパターンが消滅するからだ。そうなると、が待ちに絡んでいる場合には、を1枚で使っている
の可能性が上昇するのである。もちろん、
からの待ちなど別のパターンも存在するが、が全部見えていない場合と比べてカンである可能性が高くなっているのだ。
だから、
フリテンを承知で、も通っていないのを承知で、白鳥は単騎にとった。
熱情がこもったまなざし。白鳥はこの局も攻める姿勢だ。
その後、茅森からもリーチが入るが、
白鳥はを引いてを打ち抜いた！今書いた通り、はまったく安全な牌ではない。だが、が４枚見えているなかでの待ちなら十分に勝機はある。
そして、ダマにしているのは、とてつもなく危険な牌を引いたときにオリる余地を残すためだ。白鳥の技は多彩だ。ここはまだ分岐を残して、どの引き出しを開けるか選べるように構えた。
次に茅森が引いた、
が滝沢のアガリ牌だった。
リーチピンフ赤ドラ、8000点のアガリで、
風林火山がトップ目に立った。
しかし、その後黒沢がアガリを決め、団子状態で南4局に突入。白鳥は、28100点差の2着目。トップ目黒沢とは1500点差だ。
その白鳥6巡目、
親の上家滝沢が切った
をチー。ここも強気の姿勢を崩さない。
ここで、
白鳥はをリリースした。今を切ってきた上家滝沢の河はスピード感がある。白鳥は滝沢の現物である
と
を残して、警戒しながら手を進めているのが分かる。
その滝沢の手牌は、
このイーシャンテンだった。一刻も早くテンパイしてリーチが打ちたい。白鳥の仕掛けもあって、はやる気持ち。だが、ツモがなかなか言うことを聞いてくれない。
黒沢と茅森も苦戦している。捨て牌は三段目に突入。
ここで白鳥は
を引いて打。滝沢の安全牌こそ減ってしまうが、ここは
(役無しだが
も)受け入れ重視。
次に白鳥が持ってきたのは、
だ。これで、さらにテンパイする枚数が多くなった。目いっぱいに構える。
次巡白鳥は、
を引く。テンパイだが、役がない…
手牌に熱い視線を送ったあと、白鳥が選んだのは、
だ！形式テンパイをとった！
巡目が深くなったこの場面。役アリに作り変えてもアガれるチャンスまで残されることは稀だろう。
そして、滝沢は必死にテンパイをとってくることが予想されるので、自分もテンパイを入れておかないと流局したときに失点してしまう。
このとき黒沢は、
リャンシャンテンだった。トップ目であるため守備ゴマを抱えながらの進行だったが、いかんせんツモが効いてくれなかった。
茅森は、
序盤こそタンピン三色をからめてハネマンまでみえる手格好だったが、途中で伸びがピタッと止まってしまった。こちらもテンパイするのは厳しそうだ。
残る滝沢は、
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