西原理恵子 & 山崎一夫 フリー雀荘で勝ってる人はデカトップを逃がさない!

フリー雀荘で勝ってる人は
デカトップを逃さない

私はフリー雀荘を20年くらい経営しており、その前もフリーで20年くらい遊んでいたので、フリーで強い雀士をたくさん見ています。

昔の手積みの麻雀では、ヤマの牌を覚えたり意図的に積み込んだり、というイカサマで稼いでいる人がいましたが、今はできません。それで勝ってた人は、廃業です。

持ち点表示が無い時代には、相手の持ち点を把握してる人が強かったです。

「持ち点申告無し」のルールもありましたが、そうでなくても途中では聞かないのがマナーでした。
持ち点に合わせて戦うのが麻雀ですから、圧倒的に有利な能力です。

「オーラスのみ聞きアリ」のルールなら、ラス前にキッチリと、オーラス条件を整えておけるんです。

私は、それができなかったので、記憶しやすい東風戦が好きでした。

今の全自動卓は点差まで教えてくれるので、楽しく平等に戦えます。残念ながら今もワキどうしの点差は表示できないので、それが暗算できると、有利になります。

私の見たところ、これを把握して打ってる人は、1割いないようです。

順位争いでワキが仕掛けた時に、点差が把握できてれば、何を狙ってるかの推理に役立ちます。
マンガンを狙っていそうなら、ホンイツなどのマンガンになる牌は危険だということですね。

 

現在のフリー雀荘では、棒テン即リーの人が多く、一見雑な攻撃の人が勝率と勝ち金額が高いです。
昔はリャンメンへの手代わりを待つ人が多かったんですが、今は即リー派が増えてます。

赤5がらみのカンチャンだと、赤が出ていくリャンメンに変わっても嬉しくないですよね。
結果、5とその周辺の危険度が昔よりも上がっています。

強い人を見ていると、たとえトップ目からでも、「ハネツモ2枚オール」くらいを目指
して、リーチ攻勢を続けます。

ハネマン以上は、ピンヅモが確定2ハンなので、期待値の高い、費用対効果の大きい攻撃になります。

店ごとのトップ賞やご祝儀の設定によって多少違ってきますが、素点プラスご祝儀は、フリー雀荘では特に重要です。
チップを集めてる人が、おそらく点棒もトップ賞も稼いでいるんです。

 

どんどんリーチをかけましょう。

 

守備面で有効なのは、安くても自分でアガってしまうことです。
相手のリーチを受けての読みや、ホンイツへの絞りなどよりも、効果があります。
リーチが望めない時は仕掛けて安アガリをし、相手のチャンスを潰すんです。

「出るポン、見るチー、バックに形テン、片アガリ」

オーラスのトップ目ならなら誰でもやることを、東パツからやります。

その中間とも言える東風戦でも多くなります。名前は東風戦ですが、実質は南風戦だからです。
私はめったにやりませんが、これを全力でやる人が増えています。効率最優先のネット麻雀の影響でしょうか。

「鳴いてアガっておけば良かった」

と思うことが多いようなら、試しにフーロ率を多めに修正してみてはどうでしょうか。

鳴き麻雀は相手の鳴きを誘うことも多く、たとえ相手にアガられても、打点が小さくなります。
親の「メンタンピン・ツモ・赤・裏」の可能性を、鳴いて2900でアガってくれればラッキーです。

対人ゲームは
相手の読みを読むことも

鳴き麻雀に慣れた人は、たとえ手牌が短くなっても、放銃率はそんなに高くなりません。

安全牌として使える雀頭を確保していたり、バックで鳴く予定だったファン牌を、鳴かずに安全牌として活用するんです。
ネットで探せばどこかにデータがありそうですが、手牌が半分になっても、放銃率が2倍になるワケではありません。

「棒テン即リーが基本だが、無理そうなら鳴き麻雀で相手のチャンスをツブす」

フリーで勝ってる人に多いパターンですが、これが最強かどうかは私には分かりません。

「無理そうなら」の見極めが難しいからです。

辛抱すればリーチがかかるかもしれないし、たとえ中ポンだけの手でも、がんばればホンイツまで行けるかもしれません。
速攻アガリは相手のチャンスをツブしますが、もしかしたら自分のチャンスも放棄しているかもしれないんです。

最高位戦代表の新津潔プロや、村上淳プロはメンゼンを維持し、リーチに持ち込んで好成績を挙げています。
おそらく、周りで仕掛けられても、ブレないメンタルの強さと、読みの精度の高さがあるんでしょうね。

「愚形からの仕掛けで、今も愚形が残ってて、打点もたいしたことがない。リーチで追いつける」

とかね。

対人ゲームですから、相手の手牌だけでなく、心理状態も推理してるんでしょう。

私の店の勝ち組の一人は、仕掛けが得意だけでなく、仕掛けた人の心理状態も良く分かっているようです。
別の人が、中の後付けで仕掛けたんですが、その人が中を鳴くまで待ってから、リーチをかけてました。

 

エグいわ~。

 

先にワキどうしの点差を把握してる人は1割いないと書きました。

もうひとつ、子がツモアガリした時の、自分とワキとの点差、親との点差を暗記している人もたぶん1割いません。私の店の入点面接でこんなのを聞くことがあります。

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