フェニックスを再び舞い上がらせた、和久津晶のスタイリッシュファイト【熱論!Mリーグ/FS3日目】担当記者:東川亮

熱論Mリーグ【FS3日目】

フェニックスを

再び舞い上がらせた

和久津晶の

スタイリッシュファイト

文・東川亮【木曜担当ライター】2020年6月18日

全6日間・12試合の日程で争われる「Mリーグ2019 朝日新聞ファイナルシリーズ」。

今週から始まったかと思えば、木曜日の2戦を終えるともう残り試合数は半分となる。

1戦の密度が究極的に濃くなっていく中、6/18の第1回戦ではU-NEXT Pirates朝倉康心が親で役満・大三元をツモアガり、トップを獲得。

パイレーツ自体の役満が2シーズンを通じて初めてのことだったのだが、それをこの大一番で成就させるというところに、朝倉康心という男のスター性、そしてMリーグの持つ引力のようなものを感じさせてくれる。

また、第1回戦ではファイナルシリーズ4連続ラスとなっていたKADOKAWAサクラナイツが、岡田紗佳の最終盤での粘りで2着を確保。

一方、ここまで今シーズンわずか1度しかラスを引いていなかったセガサミーフェニックス近藤誠一が持ち点をマイナスまで減らしてのラスに沈むという、大荒れの結果となった。

フェニックスとしては、次の試合で大きくポイントを減らそうものなら後半戦に向けて雲行きが怪しくなってくる。

ターニングポイントとなりかねない前半最後の6戦目、チームの浮沈はファイナルで最後に初登場となった「超攻撃型麻雀アマゾネス」和久津晶に託された。

第2回戦

東家:沢崎誠サクラナイツ

南家:小林剛U-NEXT Pirates

西家:和久津晶セガサミーフェニックス

北家:白鳥翔渋谷ABEMAS

ファイナルでは、試合会場にMリーグの優勝プレートが設置されている。

サッカーをよく見る方であればおなじみかもしれないが、タイトルを懸けた決勝戦などの場合、選手入場口にこのような形でトロフィーなどが配置されることがある。

決着の瞬間を見届けるためであり、触れられるのは勝者のみ。

頭脳スポーツであるMリーグにおいても、これは非常に粋な演出だと思っている。

流局で迎えた東2局1本場

親の小林におあつらえ向きのトイツが入る。

アガリが色濃く見える上、赤もあり、ダブを生かせれば高い手に仕上がりそうだ。

8巡目にを鳴き、待ちテンパイ。

その後、白鳥がポンしてのテンパイを取り、余らせていたを打った。

小林が鳴けば満貫になるが、待ちは悪くなる。

小林は鳴き、待ちにテンパイ形を変えた。

親で打点を作り、この試合のイニシアチブを取ろうという考えか。

待ちの枚数がグッと減ることもあり、局面次第では鳴かない選択もあっただろうが、こうした仕掛けからは小林がファイナルの戦いを強く意識しているように感じた。

結果は、白鳥が300-500は400-600のツモアガリ。

小林の大物手をさばくことに成功する。

東3局で先制を取ったのは和久津。

門前で手を進めると、カン待ちでリーチに踏み込む。

白鳥も待ちのヤミテンを入れていたが、和久津が最終手番でツモって4000オール、接戦から一歩抜け出すアガリを決めた。

東3局1本場は全員ノーテンで流局するのだが、なんと赤牌3枚が最後まで一つも姿を現さなかった。

136枚中見えていない王牌13枚に赤3枚が固まる珍事だが、打ち手としては自分が赤を持っていないだけに、やりにくさがあった局だっただろう。

白鳥の最終ツモが赤牌でなかった瞬間、実況・日吉辰哉さん

「入ったー!」

何も入ってない。

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