逆転条件のハネ満ツモに向け、一気通貫、123の三色などをにらんだ形に。
点差を付けたい安部はタンピン形での進行。
三色が絡めば高打点も狙える。
1000-2000ツモ条件の福本は、ホンイツ、あるいはドラを絡めた形を狙っての進行。
満貫ならどこからアガってもOKだ。
渡邊がをチー。
タンヤオに向かいつつ、ドラを絡めた三色などを見据える。
しかし、この鳴きで渡邊の欲しかったが安部に流れ、安部はツモ切り。
状況は混迷を深めていく。
各者ともに、なかなか思うような牌が来ない。
安部はを引っ張っておけば暗刻にして良形が作れていたが、守備的に打っていたことで難しい選択を迫られる。
いずれにせよ、両者共にテンパイは最低条件だ。
安部はテンパイしていなければ、伏せたときにテンパイ料で渡邊に逆転されてしまう未来がある。
一方で渡邊はテンパイできなければ、安部がノーテンを宣言した時点で負けが決まってしまうからだ。
岩間が打。
渡邊は鳴けばテンパイだが、スルーした。
鳴いた時点で役なしがほぼ確定、次に可能性はつなげるかもしれないが、この局でのチャンスは失うこととなる。
ギリギリの、ギリギリの選択だ。
安部も苦しい。
まだテンパイしない。
選択に次ぐ選択の連続に、表情にも苦悩が見て取れる。
だが、フィナーレにはまだ早かったようだ。
安部が終局間際でを引き入れてテンパイ。
渡邊も最終手番を前に岩間のをチー、テンパイを取りきった。
今年の麻雀最強戦では、オーラスに役満で逆転など、驚くような展開が幾度も繰り広げられた。
しかしアマチュア最強位のかかったこの戦いでは、プロ対局にも引けを取らない、痺れるような駆け引きが続く。
誰が勝者にふさわしいのかを、麻雀の神が決めあぐねているかのようだ。
オーラス1本場、親の安部が好形のイーシャンテン。
待ちにでもなれば、リーチしてツモって満貫級のアガリを決めにいきたいところ。
しかしこの局は福本がこのイーシャンテン。
満貫ツモ条件だけに、ドラを絡めた三色へ向かいたい。
安部は引きで切り、タンヤオを確定させるが、数巡のツモ切りの後に訪れたのは、テンパイを逃す。
理屈で言えばの方が優位に思われるが、こういう裏目を引くのも麻雀の怖いところだ。
そうこうしているうちに、福本はドラを引いて三色の見える形に。
しかしは山にはない。