熱論!Mリーグ【Sun】
ノリノリ忍者vs藤崎包囲網
ケーススタディで見る
藤崎智のゲームメイク術
文・真中彰司/2019年12月8日
Mリーグサンデーマッチ、第2試合のスタートだ。
第1試合は倍満でリードした渋谷ABEMAS・松本吉弘をKONAMI麻雀格闘倶楽部の藤崎智が逆転し、待望の自身初トップを手にした。
初トップを取って精神的に余裕が生まれたのだろうか。藤崎は第2試合も連投。
迎え撃つのは多井隆晴・瀬戸熊直樹・滝沢和典というRTDメンバー。
麻雀格闘倶楽部の浮上をなんとしても阻止したい3チームvs藤崎、という構図だ。
今回は麻雀忍者・藤崎に対する3者の対応に注目してみたい。
Case.1 通常の場合
まずは通常の場合だ。
東1局、藤崎がペンで先制テンパイ。
麻雀格闘倶楽部の他の選手であれば、このまま即リーチを打っていそうな手だが、藤崎は違う。
待ちや打点に不満があれば、より良い手を求めてテンパイを崩す。
今回はツモでテンパイを崩し、とのシャンポンリーチや、678の三色を狙っていった。
すると、これが大ハマリ。
次巡のツモであっという間に素晴らしい手に変化。
これなら納得、と藤崎もリーチを打った。
そしていとも簡単にを一発ツモ。
このからの1メンツを捉えられる打ち手は、そう多くない。
東3局でも両面の満貫リーチを決め、一気に4000オールで加点。
速度を犠牲にして良形・高打点を追求するスタイル。
このように、藤崎のリーチを受けると基本的に満貫は覚悟しなければならないのだ。
Case.2 藤崎が鳴いた場合
藤崎がノリノリになってくると、鳴く回数も増えるのだ。
親番でドラ3の藤崎は、この形からを両面チー。
もちろん、何でも鳴いているわけではない。
このを逃すと、は残り2枚しか無かったのだ。
もちろん鳴かずに変化を待つ手もあるが、ここは”Mリーグ仕様”の藤崎が顔を見せた。
あまり副露率の高くない藤崎が鳴いた、しかも両面で。
これは他家にとっては緊急事態である。
リーチと同じく、満貫を覚悟しなければならない。
瀬戸熊もアガリに向かえそうな手ではあったが、藤崎を警戒して守備に徹した。
多井・滝沢も同様に手を狭めている。
一方の藤崎本人はというと、終盤でやっとテンパイ。
このが手出しされた瞬間、他家は「まだテンパイしてなかったのか…」と騙された気分になっただろう。
「藤崎が鳴いた」というそれだけの事実が、他家を強烈に牽制する。
これぞ忍法・目くらましの術だ。
Case.3 藤崎に対応させた場合
ここまでは藤崎の攻撃面を見てきたが、では他家に攻撃された場合はどうだろうか。
この局は滝沢がとを引き入れて、カンでリーチを打った。