解説席よ見たか!岡田紗佳、
大三元テンパイも飛び交う
混沌の一戦を鮮やかに
乗りこなす
文・東川亮【月曜担当ライター】2020年12月14日
Mリーグにはさまざまなタイプの打ち手がおり、組み合わせによってどんな試合になるかを予想する、というのは楽しみの一つと言えるだろう。
筆者も午後3時頃に公式LINEやTwitterなどで発表される組み合わせを見て、ぼんやりとだが展開予想をしている。
この日の第1回戦の組み合わせを見て、率直な感想は
「うーん、わからん!」
選手の個性がバラバラで、どうなるかが全く読めないのだ。
ただ「楽しい試合になりそうだ」という予感だけはあった。
第1回戦
南家:石橋伸洋(U-NEXT Pirates)
西家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
東2局。
捨て牌が2段目に差し掛かるころには、岡田の手牌はなかなかのまとまりを見せていた。
ここからいろいろな選択肢があり、できれば裏目を引くことなくテンパイしたい。
最高打点を見るなら三色を狙ってのターツは残したいが、形は悪い。
岡田の選択はマンズ払い。
ピンズまわりで好形を作ろうという狙いだろう。
次巡、引きはまさしく望外のツモ。
一盃口が完成、ピンズの形がバチッとハマって戦闘態勢は整った。
そこに石橋がリーチをぶつけてきた。
岡田はまだテンパイしておらず、先手を取られた格好だ。
しかも石橋は親である。
一発目のツモは無スジの。
どうするん・・・
思う間もなく、岡田はを河に放っていた。
そこからもと無スジを押しまくる。
もちろん、親リーチが怖いのは当たり前だ。
しかし、岡田にはほとんど安パイと呼べる牌がなく、の壁でピンズの上、あるいはリーチ後に通ったなどを打てば自身の手が死ぬ。
この手で戦う。
決意をたたえる表情はさながら、自身の異名である美の女神「アフロディーテ」ではなく、戦女神「ワルキューレ」だ。
そして追っかけリーチ、一発で石橋を斬って捨て、裏ドラを乗せて12000という高打点を決めた。
見ている側としても痛快なアガリに、解説をしていた白鳥翔(渋谷ABEMAS)も絶賛だ。
一方、選択の連続で翻弄されてしまった局面があったのが高宮。
東4局、赤赤で打点が見込める形。
高宮はここからを切った。
を切ればタンヤオで仕掛けも使えるが、門前で仕上がればハネ満や倍満クラスも狙える形だ。
しかし打ちの場合、最大の裏目となるのがこの引き。
ただ、マンズのどちらかを切っていったん単騎テンパイに取れる形ではある。