勝利の、そして苦しむ 仲間のために 魔術師・園田賢が覚悟を決めて戦士に挑んだめくりあい【Mリーグ2020観戦記1/14】担当記者:東川亮

1枚切れの字牌を残して守備力を担保しつつ、仕上がるときになるべく高くなるルートだけは残すという進行。

 

高宮は4巡目にしてイーシャンテン。

石橋もある程度形はまとまっている。

しかし、テンパイ一番乗りは園田だった。

七対子、待ちのは2枚切れのいわゆる「地獄単騎」だが、それゆえアガリもとれそうだ。

もし序盤で下手にメンツ手への未練を残してを切っていたら、この形にはたどり着いていない。

序盤の手組みが見事にはまった形だ。

最後のは高宮がハイテイ手番で掴むが、これは打たず。

アガリこそならなかったとはいえ、園田の秀逸な手組みが光った一局だった。

しかし、ここから園田は苦戦を強いられる。

南2局2本場

園田はここからをチー。

まだまだ手は遠いがアガリを見つつ、親番を生かしてまわりに圧をかけていこうということか。

まだ親番をすんなり手放せるほどリードがあるわけでもない。

ここから巧みにタンヤオへと向かい、単騎待ちのテンパイ。

ただ、直後に高宮もをチー、の片アガリテンパイを取った。

そして園田の元に訪れた

 

園田は20秒ほどの思考の末、これをツモ切った。

3900の放銃は、本人曰く「甘えてしまった」。

アガリが厳しいことは分かっていながらも、自身の手を大事にし過ぎてしまったという。

南3局1本場は親の石橋がリーチ後にツモ切ったのスジを追ってを打ったところ、高宮からロンの声。

七対子赤の3200は3500、この放銃で園田と高宮の差はグッと詰まった。

亜樹も逆転トップ圏内、もう誰が勝つか分からない。

南4局

親の高宮は3巡目にを切った。

真ん中の牌で使いやすいところだが、それよりもチャンタなどの仕掛けが利く手を狙っていったように見える。

ドラがトイツになったことで仕掛けても打点が見込めるようになったのは大きい。

園田は3巡目でイーシャンテンになったが次巡にリャンシャンテン戻し、仕掛けの使えるホンイツに向かう。

テンパイは高宮の方が早かった。

門前で、しかも高目一気通貫待ちリーチ。

ツモれば満貫スタート、高目ツモならハネ満確定、倍満も見える弩級の手だ。

園田としてもここは引けない。

高宮の現物をチーしてテンパイ。

が自身の目から4枚見え、待ちはかなり感触がよさそうだ。

親のリーチに放銃すれば着順を大きく落とすが、園田の腹は既に決まっていた。

と無スジを連打。

さらに掴んだ無スジに逡巡する様子を見せながらも、やはり押す。

園田は高宮の3打目切りリーチという手順から上目の三色などを想定。

愚形もあると考え、行けるところまで攻めるつもりだったそうだ。

牌と共に切っているのは、あるいは己の恐怖心か。

こうなれば、よほど深い巡目にならない限りはも止まらないだろう。

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