負けられない戦いがそこにはある 小林剛が見せた鬼プッシュの結末は【Mリーグ2020観戦記1/19】担当記者:ZERO

チートイツのイーシャンテンになり、魚谷は少考する。

2人が1打目にを切っており、が山にいそう。

も狙い目。

ここでを切ってトイトイとチートイに決め打つか?

魚谷は静かにを置いた。

が山にいる可能性が高いのは確かだろう。
だからといってを残すことが正解となるとは限らない。

与えられた情報は手順を覆すほどの差があるのか?

麻雀はそのバランスをとっていくことが肝要だ。

上級者になるほど、読みを過信してバランスを崩していく。

しかし魚谷は崩れない。

この手牌はメンツ手の目も十分にある。

例えばをツモった場合。

を残しておいたことで、スムーズにメンツ手に移行することができる。
を残してよかったとなるツモはたくさんある。

次に手が止まったのは小林だった。

三色に手変わった。

いつもの小林ならすんなりリーチしそう。

しかし小林は迷った。

表情の変化が小さい選手なので分かりづらいが、今日はいつにもまして神妙な面持ちで打っている…ように見える。

を切ってどの程度の嬉しい変化があるのか。
それは現状のカンリーチを覆すほどなのか。

紆余曲折の思考を経て、小林はリーチを打った。

それを受けた親の魚谷。

小林の待ち、を暗刻にして2局連続となる四暗刻のイーシャンテン。
しかしやはり魚谷は冷静に今通ったを切った。

今欲しいのは役満じゃない。
より可能性の高い決定打…!

小林のアガリ牌である、最後のは亜樹のもとに流れた。

我々は「亜樹は放銃牌を打たないもの」という刷り込みがされているので、その手がを掴んどきにはひどく驚いた。

小林の5200のアガリ。

亜樹の手牌を振り返ってみると

安全牌がドラの1枚しかない。
そのとて今を押した魚谷に安全とは言えない。
のワンチャンスであるを切っておいて、テンパイしたら勝負…という腹だったのだろう。

いずれにせよ、この放銃により…

稀に見る大混戦でラス前を迎えることになった。

南3局 小林の鬼プッシュ

たろうはここからを切った。↓

の他に、打も打牌候補にあるが、ここでを切りたくなる気持ちは凄い共感できる。
ポイントは前巡に自分で切っているだ。
の切り出しが遅れると、→→となって、待ちが濃厚の河になってしまう。それを避けるためになるべくと連打しておきたかったのだ。

自分の河にが無かったらストレートにを切っていたかもしれない。

さらに次のツモでたろうは迷った。

これはソウズ以外のすべての牌が打牌候補に挙がる。

たろうはどのリャンメンも捨てがたいと判断してを切った。

すぐに親の亜樹からリーチが掛かる。

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