東2局
流れるような勝又の手順をご紹介
を引いてイーシャンテン。
手なりならもちろん
だが、勝又は
切り。
ドラが
なだけにマンズで2メンツ作る構想で、ペン
を嫌う作戦もあるだろうが、早々に2人が
を切っている。
場の状況を機敏に取り入れるのが勝又の真骨頂。
攻守に使えそうなターツなのでまだ切らない。
狙いのツモ!!
こうなればいくら場の状況が良くてもペン
を切っていく。
切る牌は![]()
2人の現物である
を手に残した。
当然の選択だが細かいところも丁寧だ。
そして力強くリーチ宣言!!
「ピンズの下が切られてなかったので、ダマテンにしてもこぼれそうにないので、リーチで押さえつけました」(ABEMAビデオ 対局の裏側より)
なるほど、悪い待ちならダマテンにしそうなもんだが、どうせ出ないなら逆にリーチをして押さえつけたほうが良いということか。
結果は流局だったが、場の状況への対応、手役意識、そして戦略的リーチ判断。
軍師勝又の魅力が詰まった一局だった。
南1局
黒沢らしからぬリーチのみのテンパイ。
親番でリャンメンテンパイなら迷わずリーチしそうだが・・・
やはりこの方は迷っていた。
しばしの逡巡の後、多井に仕掛けが入っていたこともあってリーチを敢行。
リーチを受けて一発目の多井。
自身は
を仕掛けていてテンパイしたが切るのはドラの![]()
スジとはいえ生牌なので切りづらい。
しかし多井は音速の速さで
を切った。
おそらく、この局面で手が止まるMリーガーは多いだろう。
「黒沢のリーチだからドラ持ってそう・・・」
「テンパイだけど2000点だし・・・」
Mリーグの重圧がそうさせるのかは分からないが、必要以上に悩む光景を見ることがあるのも確かだ。
その点多井は、悩まなくていい局面では本当に悩まない。
この局面でも、
・![]()
は親の現物だから切られやすい
・親の現物は持っていない、ドラの
が一応スジ
などの情報は事前に整理されているからこそノータイムでドラが切れるのだ。
何気ないドラ切りだが、さすが多井と思わされる一打だった。
そしてこの
もノータイムで勝負。
よく実況などで「強気の選択!」などと言われることもあるが、別に強気で押しているわけではないだろう。
親に放銃する可能性と自分がアガれる可能性を天秤にかけて「得」だと思って押しているだけだろう。
「冷静なオリ」とはよく言われるが「冷静な押し」と言えるのではないだろうか。
この後小林の赤ドラドラのリーチ、勝又のタンピン三色のダマテンが入るなど場が沸騰するが―
アガったのは黒沢。
らしくないリーチのみかと思いきや、裏ドラが2枚乗って4000オール。
後続を突き放した。
対局後のインタビューで反省の局面として挙げたのがこの局だった。
やはりリーチの時に
を切ってテンパイを外そうと考えていたようだ。
もし
を切っていればすぐに
を引いて678の三色をツモアガっていた。
並の人間なら4000オールアガって結果オーライとなりそうなもんだが、さすが黒沢見ているものが違う。
南3局
いよいよクライマックスが近づいてきた。
ラス目で親番の小林が
をポン。
解説の渋川プロ曰く「何万回も見た仕掛け」だ。














