必ず船長に繋ぐ! 時には果敢に攻め、時には堅実に守り抜いた石橋伸洋の熱き全霊【Mリーグ2020観戦記3/12】担当記者:渡邊浩史郎

待ちならアガリは堅そうだが……

魚谷にも残り局数という重みが響いてくる。親番があるとはいえ、1局1局を無駄にはできない。

ドラ単騎で三暗刻とドラドラを確定させる、ハネマンのリーチに踏み切った。

この待ちが山に1枚残っていたものの、またしても無情に脇に流れていく、内川との二人聴牌で連荘となった。

【南2局1本場】男の戦い

この局チャンスを得たのはトップ目白鳥。

8巡目に絶好のツモ。現状で平和・赤が確定していてドラ受けの三面張もある。

次巡白鳥がツモ切ったを石橋が赤含みでチーしてバック赤ドラのイーシャンテン。は場に一枚切れ。果たして間に合うか。

そして13巡目。先制の聴牌を入れたのは白鳥でも石橋でもなく、なんと親の内川。

愚形が二つのやや厳しいイーシャンテンだったがを引き入れてドラのシャンポンリーチを慣行。

同巡、白鳥も聴牌。平和赤の待ち。親リーチの現物待ちということでダマテンに構える。

そしてなんと石橋もこの巡目に聴牌。を自力で引き入れてのシャンポン待ち。

3人が同時に聴牌しめくり合いの形となった。

しかし17巡目、石橋がこのでリタイア。ドラということもあり親にはかなり打ちづらい。これは致し方無しといったところか。

対する白鳥は目に見えて危険という牌を掴むことなく、聴牌を取り切る事ができた。白鳥・内川の二人聴牌で流局。石橋からすれば白鳥と3000点差がつく嫌な展開だ。

続く【南2局2本場】も石橋が仕掛けて出た。

11巡目。をポンして一の対子落とし。ここからホンイツに向かう。

やや巡目が遅すぎるようにも思われるがやはりこの局面は打点が一番。ケチな点棒拾う気なしといったところだ。

そして14巡目、石橋カン待ちで聴牌。ホンイツ・赤の満貫だ。

だがこのが白鳥に槓子。アガリは絶望的かと思われた。しかし、

17巡目、白鳥がをチーしてこの形から小考。

聴牌を取るにはを打つ必用がある。自身の待ちが広くなるのは切りだが石橋が筒子のホンイツ模様であるため非常に打ちづらい。普通ならを打つ所だが白鳥は小考に入った。

(そんなまさか出るのか???)

そう思ったのはきっと筆者だけでは無いだろう。ここからを放銃したとなれば石橋にとってはデバサイ。約2万点ある点差がぐっと縮まる。

白鳥の選択は

だった。

そりゃそうである。

白鳥ほどの打ち手がこの状況でを打つ事は万に一つも無いと言って良い。

白鳥は後にこの小考はの選択だった事を明かした。なるほどは前巡に内川が通していて石橋にロンは無い。一旦はノーテンとなってしまうが次巡何を引いてもカンでだいたい聴牌を維持出来る。

この局は親番内川に聴牌が入らず、白鳥・石橋の二人聴牌で流局。レギュラー通過が確定している白鳥もこの半荘のトップを目指して、意地を見せている。まさにぶつかり合いだ。

【南3局】せめて、魚谷らしく

魚谷最後の親番は

あまりにもあっさりと、終わった。

魚谷はMリーグの中でも随一の、表情に気合が現れる選手だ。親番が落ちたことを確認した魚谷は、今一度気合を入れなおしたように感じた。後は少しでも着順上昇を目指して次につなげるだけ。言葉を選ばずに言うなら敗戦を覚悟して、後は終わり方を考えよう、そんな間があったように感じたのは筆者だけだろうか。

【南4局】終わる半荘

迎えたオーラス。石橋のトップ条件はハネマンツモか白鳥からの満貫直撃だ。

しかし手が入ったのは親の白鳥。ドラのをアタマにしたタンヤオ手。10巡目にカンをチーして聴牌の待ち。高めなら三色がついて12000点である。

そして13巡目、石橋に危機が訪れた。

ハネツモ条件を満たしてやったと言わんばかりのを引き入れこの形。牌理なら当然打ちだ。

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