麻雀閻魔、前原がを手繰り寄せた。
リーチツモメンホン赤ドラドラ。4000-8000のツモアガリ。
全国各地で湧き上がる、格闘俱楽部ファンの声が聞こえる。
待望のトップ目に立った前原。
やすやすと逃がすわけにはいかない黒沢。
南1局。
黒沢は第一打に時間を使う。
黒沢は、
を選んだ。
この手牌が、
13巡目に役満のイーシャンテンになることを、誰が想像出来ただろうか。
黒沢は見ていたのだ。細い細い国士無双への道のりを。
黒沢の欲しいとはまだ山に残っている。
しかし、
日向からリーチがかかっていた。
打ち込んでトップとの差を広げたくはない。
少なくなる牌山。
終盤に黒沢は、
との2枚を切らないと前に進めなくなってしまう。
じっと盤面を見つめた後で、
大きく息を吸い込んで、黒沢は、
を切って出た!残り少ないチャンスを逃すわけにはいかない。
ファンの思いと自身の魂を乗せて、文字が刻まれた小さな石を選手達は河に並べる。
その刹那、
日向がツモアガリ。黒沢の押しは実らなかった。
しかし、次の南2局は黒沢の親番だ。
第一打に打たれたを悠然と見送り、
4巡目には、
ここから打!残り1枚受けのトイツに別れを告げて、やを使っての新たな出会いを探す一打だ。
ここからを打つプレーヤーは黒沢以外にいるのだろうか?ちょっと私には心当たりがない。
薔薇の花びらが舞い散る優雅なセレブ打法を駆使して黒沢は、
7巡目には良形2つのイーシャンテンへと手を進める。
のトイツ落としが他家へ、
“役牌をトイツ落としするぐらい、いい手ですわよ”
というメッセージにもなっている。
10巡目にはドラのもツモ切る。
「ポン」
前原が動いた!
自風のドラを鳴いてのイーシャンテン。