白鳥翔・二つの選択
選ばれなかった役満と、
まだ見ぬ優勝の行方
文・東川亮【木曜担当ライター】2021年5月13日
以前、白鳥翔はこんなツイートをしていた。
多分この考え方には共感できない麻雀プロもプロじゃない方もいっぱいいると思うんだけど、6:4でこっちの方が得みたいな選択あるとして常に6の方じゃなくて6が出る時は6選びたいし、4が出る時は4選べるようになりたいんだよなぁ。
これをずっと追い求めてプロ生活やってきたけどほんと頭おかしくなる!— 白鳥 翔 (@s_Shochan0827) March 19, 2020
麻雀は果てしなく続く選択のゲームだ。
全ての選択を完璧に的中させたいのはやまやまだが、そんなことができる打ち手など存在しない。
朝日新聞Mリーグ2020ファイナル。
選手の選択一つひとつが、チームの結果を大きく左右する。
この日の第1回戦、白鳥翔には大きな二つの選択が課せられた。
5月13日 第1回戦
南家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局。
親の白鳥は配牌でトイツ。
1巡目からを仕掛けると、すぐにも鳴いた。
こうなると可能性は低いとはいえ役満・大三元がちらつくだけに、はおいそれと切れない。
白鳥としては、そうした相手の対応も含めての仕掛けだろう。
この時点で、は誰も持っていなかった。
山に全て残っている、その1枚目を白鳥が持って来る。
巡目が深くなるほど、周囲へとかかるプレッシャーは1巡ごとに大きくなる。
白鳥以外の3者がを1枚でも引いてしまえば、迂回せざるを得ない。
また白鳥の手出しも多く、周りから見ればすでにテンパイが入っている可能性も十分あり得る。
故に、全員がオリ気味の手牌進行。
この局は白鳥の一人旅に見えた。
捨て牌2段目も終わろうかというところで、白鳥の引き。
テンパイへの受け入れは、
を残すと、
を残すとと格段に増える。
そもそも、この巡目で全員が受け気味に見えるだけに、はすでに持たれている可能性が高い。
それなら目先のドラドラ赤での、満貫・ハネ満のアガリを目指す。
理にかなった選択のように思えた。
しかし、まさか山にが2枚残っており、しかも両方とも自分が引いてこようとは。
もし切りの場面で中を残していたならば
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