試合後、白鳥は「岡田が強い牌を切っていてリーチが来そうだった。サクラナイツに差し引き12ptを与えるよりも最悪な未来が待っている可能性があったので、落としどころだと思った」と語っている。
たしかに、岡田は十分形のイーシャンテン。
すぐにでもリーチがかかりそうだし、何ならアガりそうだ。
白鳥はそれを察知して、岡田に高打点を決められる最悪の結末を回避する選択をした。
だが、もし白鳥がこのをスルーしていたらどうなっていたか。
岡田が満貫をツモ、あるいは白鳥を直撃し、ABEMASとのポイント差をさらに詰めていたかもしれない。
逆に白鳥が岡田から直撃を取り、着順アップに成功していたかもしれない。
一方で、このアガリで園田を3着に沈めたことが、後々大きな意味を持ってくるかもしれない。
選ばれなかった未来は、牌と共に卓の中央へと消えた。
何が待っていたのかはもう、誰にも分からない。
一つ言えるのは、この選択は優勝争いの行方すら左右しうるものだった、ということだ。
果たして白鳥は、正解を選べたのだろうか。
それは5/18、結果を見て判断したい。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。