Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 2月6日〜 2月10日
大和証券Mリーグ2022-23レギュラーシーズンは、2月2週を終えて、各チームの試合数は残り22試合となった。セミファイナルの先を見据えて戦うチーム、セミファイナル進出を当面の目標とするチームと立場はそれぞれに違うが、各チームの火花散る対局が極上のエンターテインメントとなることは確かである。
■2月6日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
開局早々ハネ満をアガるなどしながら南3局の親番をラス目で迎えた東城。しかしここでハネ満をツモって一気にトップ目まで浮上、そのまま押し切って勝利を収めた。シーズン初勝利を目指して一時はトップ目にも立った村上だったが、最終的には2着で試合を終えている。
1位 東城りお(セガサミーフェニックス)+64.7
2位 村上淳(赤坂ドリブンズ)+7.9
3位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲26.1
4位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲46.5
【観戦記】
豪胆、屈強、怪腕 セガサミーフェニックスには、東城りおがいる(江崎しんのすけ)
第2試合
序盤の連続アガリなどで優位に試合を進めた園田が、トップをほぼ手中に収めた状態でオーラスを迎える。チーム状況もあり、さらなる加点を目指してリーチをかけたところに魚谷の反撃を受けて肝を冷やしたが、最終的には逃げ切って勝利をチームに持ち帰った。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+57.7
2位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)+17.0
3位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲24.8
4位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲49.9
【観戦記】
DEAD? OR ALIVE? 園田賢の表情が語る天国と地獄の狭間(徳岡明信)
■1月31日(火)
対戦カード:EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・TEAM雷電
第1試合
全8局と最短で終わったゲームは、松ヶ瀬がアガリを決めて快勝。上位を伺うチームを突き放し、首位固めに成功している。今シーズン好調の本田は、この試合でも強気の選択を見せていったものの実らず、4着で試合を終えている。
1位 松ヶ瀬隆弥(赤坂ドリブンズ)+61.7
2位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+7.5
3位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲22.5
4位 本田朋広(TEAM雷電)▲46.7
【観戦記】
セミファイナルはもう始まっている 負けた本田朋広に見たチーム雷電、ファイナル初進出への希望(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
オーラスは各者が相手に対して対応しあう緊迫した1局となったが、最後は伊達がアガりきってトップ目の勝又を逆転、勝利を収めた。なお、南1局には伊達が配牌でテンパイ、地和チャンスが訪れたが、成就はならなかった。
1位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+56.0
2位 勝又健志(EX風林火山)+8.4
3位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲17.7
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲46.7
【観戦記】
今際の絞り(越野智紀)
■2月9日(木)
対戦カード: KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
オーラスの親番を離れたラス目で迎えた渋川だったが、連荘を重ねて粘り、最後は満貫ツモで一気にトップ目まで浮上、チームの連敗を止める、価値ある勝利を獲得した。優位に試合を進めていた瀬戸熊だったが、渋川の逆転を許して2着で試合を終えている。
1位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+57.5
2位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+12.4
3位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)▲21.1
4位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲48.8
【観戦記】
俺が魔神だ!渋川難波がオーラスの土壇場で見せた、正確無比な攻撃手順!(ゆうせー)
第2試合
東1局2本場に黒沢がMリーグで初となる役満・清老頭のテンパイを入れるも、リーチしていた伊達がツモアガって阻止。そこからアガリを重ねて東場で6万点オーバーまで持ち点を増やし、この週2勝目を飾った。小林はオーラスでロン牌を見逃してまで逆転を狙うも、あと一歩が届かなかった。
1位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+77.3
2位 小林剛(U-NEXT Pirates)+35.7
3位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲41.9
4位 黒沢咲(TEAM雷電)▲71.1
【観戦記】
役満の気配満ちる一戦 混沌を制した573の鬼姫、伊達朱里紗(東川亮)
■2月10日(金)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・EX風林火山・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス
第1試合
丸山が序盤から積極的な攻めで持ち点を増やしていくと、南1局の親番でハネ満をツモって一気にリードを広げる。その後も攻撃的な姿勢を見せ続け、最後は松本にアシストする形でゲームセット。長かったトンネルを抜け、今シーズンの初勝利を挙げた。
1位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)+68.6
2位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+17.2
3位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲25.5
4位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲60.3
【観戦記】
東城が高打点のアガリを連発して、7万点近くまで迫る大きなトップを獲得。月曜日に続く連勝を飾り、個人ポイントは220越え、リーグ5位となった。多井はこの試合で2度のホウテイ放銃と苦しみ、箱下の4着に沈んでいる。
1位 東城りお(セガサミーフェニックス)+89.5
2位 二階堂瑠美(EX風林火山)+14.1
3位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲33.9
4位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲69.7
【観戦記】
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■ピックアップMリーグ
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■2/6-2/10の結果
週の勝ち頭はセガサミーフェニックス。東城が2戦2勝と大活躍で大きくポイントを伸ばし、6位・KADOKAWAサクラナイツとの差を50ポイント程度まで縮めている。8位の赤坂ドリブンズも園田・丸山で2勝を挙げ、ポイントを回復。ボーダー付近の争いが熾烈になってきた。上位では伊達が2勝したKONAMI麻雀格闘倶楽部がプラスを伸ばし、2位をキープ。上位もやや縦長になってきている。
■2/13-2/17の注目ポイント
6位・KADOKAWAサクラナイツと7位・セガサミーフェニックスは1トップ程度の差まで詰まっている。2月17日に迎える直接対決を前に順位が入れ替わっていることも考えられ、どのような状況でこの日を迎えるのかに、まずは注目したい。また、ここにきてポイントを減らしてきている渋谷ABEMAS・TEAM雷電は、そろそろ歯止めをかけて反撃体制を整えていきたいところだ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。