VTuber千羽黒乃の麻雀講座【第53回】 あっちからこっちへ!「横移動」って何が起こるのじゃ?

やっほーい! 儂じゃよー! 今日も元気に3000・6000! 麻雀歴1000年の鴉天狗、千羽黒乃が今週もキンマwebに参上じゃ!

ありがたいことに、このコラムも連載一周年! ここまで続けられたのも、ひとえに日頃読んで下さるお主らのおかげじゃ! この連載を通じて儂のことを知ってくれたり、麻雀への理解が深まったというお話を聞いたりするたび、嬉しい気持ちでいっぱいになるのじゃ🙏✨
これからも麻雀の楽しさ、奥深さを全力でお伝えしてゆく所存。2年目も何卒よろしくお願いするのじゃ~!

前回のコラムではチートイツについてお話したのじゃ。
ちぃといつ聴牌するか分からないチートイツ! 積極的にアガるための役というよりも、安全牌を抱えながらオリの選択肢を増やせるのがその強みじゃ。なかなかアガれなさそうな配牌のときこそ活用するべし、とお伝えしたのじゃ!

VTuber千羽黒乃の麻雀講座【第52回】チートイツってこんな子じゃ!

横移動ってなんだろう?

今日のテーマは「横移動」じゃ! カニカニ歩きのことではないんじゃよ?
横移動とは他家が別の他家に対して放銃し、他家の間で点棒が移動することじゃ。点棒が右から左、左から右といった具合に移動することから「横移動」と呼ぶのじゃ! この横移動、お主はどんなイメージを持っているかのう?
「自分の点数が変わらないから関係ないよ」じゃと? ところがぎっちょん! 実はこの横移動によって、状況は大きく変わることがあるのじゃ!

その横移動は得かな? 損かな?

まずは例として、24000点の横移動が東1局に起きたときのことを考えてみるのじゃ。

横移動黒板

ケース①と②、どちらが自分にとって得な状況かのう?

まず、①の全員が25000点を持っている場合。ここから最終的に1位から4位になる確率は、当然ながら全て25%じゃ。対して、24000点の横移動が起きた後の②の場合。1着率と4着率が大きく下がり、2着率と3着率が大きく上昇するのじゃ。

分布

そんなの当たり前じゃん! と思うかもしれないけど、これがとっても重要!
順位ごとの収支から、それぞれの期待値を求めてみるのじゃ!

(今回は 1着:+140 2着:+70 3着:-10 4着:-200 (雀魂:雀豪☆1配分)の配分、ケース②のトップラス率を10%と仮定して計算してみるのじゃ!)

ケース①の場合は

(140+70-10-200)*0.25=±0 に対して

ケース②の場合は

(140-200)*0.1+(70-10)*0.9=+48 じゃ。

なんと! 自分の点数は全く動いていないのに、ポイントの期待値は横移動によって48ポイントも上がっているのじゃ。これは一体なぜなのかのう? それは、オンライン麻雀のルールがマイナスを全て4着が支払うラス回避ルールになっているためじゃ。横移動によって大きく凹んだ4着目が発生することによって、自身の4着率(と1着率)が大きく低下し、その結果として自分の点棒は変わらなくともポイント期待値が大きく上昇するためじゃ。
今回は「東1局に24000点の横移動が起きた場合」という極端な例を挙げたけど、これが8000点だったり5200点だったとしても、横移動によって凹んだ4着目が発生すれば必ず1着率と4着率が減少するのじゃ。

よって、4着回避の価値が高いオンライン麻雀においては、横移動はポイント期待値の上昇に繋がるのじゃ。(逆に、トップの価値が高いルールや大会などでは、大きな横移動はラス率だけでなくトップ率も低下させてしまうため、あまり喜ばしくないとも言えるじゃろう。)

横移動を誘発するには

「横移動によってメリットが生じることがあるのは分かったよ! でもそんな都合よく起きるわけないじゃん!」と思ったのじゃ? ふっふーん、実は! ある程度誘発させることはできるのじゃ!

実戦でよくあるのはこんな場面!

対局

親からリーチを受けた一発目で、自分の手はドラのないチートイツの2シャンテン。ここからアガりを目指すのは厳しそうなので、安全にオリたい場面じゃ。
じゃが、オリるにしても完全安牌の字牌と、いま切られた【5ソウ】を選べる状況じゃ。ここはどちらを選ぶのが良いのかのう?

まずこの場面、リーチ者以外の3人がオリてしまうと、結末は親がツモ和了るか、流局してノーテン罰符を払うかのいずれかじゃ。どちらにしても自分の点棒と、終局時の期待順位はマイナスとなるじゃろう。
対して、横移動が発生すれば自身の点棒を減らすことなく凹んだ4着目が生まれ、終局時の期待値もプラスになる可能性があるのじゃ! つまり、ここでの狙いは「放銃は避けつつ、横移動を誘発させる」ことじゃ。

そして、横移動を発生させるためには他家同士でめくり合いをしてもらう必要があるのじゃ。
つまりこの場面では、「下家が鳴けそうな【5ソウ】を切って前に出るアシストをしてやり、リーチと戦わせることによって、横移動の確率を高める」のがお得な選択となるのじゃ~✨🐦!

軍師

ライバルの浮上は阻止しよう!

また、横移動は基本的には嬉しいことが多いと言ったものの、なかには嬉しくない横移動もあるのじゃ。それはライバルが浮上してしまう横移動じゃ!

対局2

こちらは先程の対局図から、持ち点だけが変わった図じゃ。全員が25000点を持っている状況ならば横移動を誘発するために【5ソウ】切りとしたけれど、今回は下家が4着争いをしているライバルじゃ。
ここで下家にアシストをしてしまうと、めくり合いが発生し横移動の確率は高まるものの、下家の和了率が上昇するため自身が4着に落ちる可能性もアップしてしまうじゃろう。
「横移動によってライバルの和了率が上昇する場合」は、横移動を避けるために絞る(必要そうな牌を鳴かせない)選択が有効になることもあるのじゃ!

今回のまとめじゃ!

・他家が別の他家に振り込んで点棒が移動することを「横移動」と呼ぶのじゃ
・原点からの「横移動」は1着率と4着率を減少させ、2着率と3着率をアップさせるのじゃ!
・ラス回避ルールでの横移動は得になることが多い! ただしライバルが浮上する横移動は避けるべし!
・仕掛けている相手にアシストすることで、横移動を誘発することができるのじゃ!

 

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