朝倉が出した結論はアガリ優先。ターツの中で一番いいの両面ターツを固定し、を並べずにを並べて自分の河を強くするとともに、最速でのアガリを目指したのだった。
理由は分かる。だが、ハッキリ言って私にはは打てない。か、河をそこそこ大人しくしつつ好形ブロック作成を狙う打としそうだ。
麻雀界のパイオニアである朝倉らしい一打。だが、この局は、
がアンコのカンテンパイとなって、ツモ切りリーチの白鳥に真っ向勝負を挑むも、
で朝倉が白鳥に放銃。リーチ赤赤、5200は6100のアガリとなった。
表ドラが全て見えた状態で、ツモ切りリーチの白鳥に対してはテンパイの状態なら全押しがいいだろう。自分がアガリ切ればトップが相当近づく。
また元をたどれば、朝倉の手牌は結果としてマンズに染まり切るルートもあった。しかし、打の段階からマンズのホンイツを狙うのは厳しいだろう。
だが、結果としては全て裏目に出てしまった。朝倉の胸中はどうなのだろうか。
そんな朝倉に次々と難局が襲いかかる。
4巡目に対面の亜樹からリーチ。安全牌がない。
データ研究でも、最序盤のリーチ宣言牌のマタギは比較的通りやすいというデータが出ている。
※麻雀数理研究会様のnote無料部分より抜粋
https://note.com/mahjong_math/n/nae3ce71b06d5
リーチ宣言牌の前に安全牌が切られていたり、ターツ選択が入っていたりする場合はまた別となる。が、そうではなく不要牌が順番に並べられた早い巡目のリーチでは、ただくっつかなかったから中張牌がリーチ宣言牌となった場合も多いのだろう。
今回は宣言牌が7で切る牌が8なので上の引用データとはやや異なるが、リーチ宣言牌とは違う色の1や9の牌と比べて、最序盤はリーチ宣言牌のマタギの牌が通りやすいというのは驚きだ。
それでも字牌のとどっちがいいかは微妙なラインだと思うが、こういったデータに基づくような打牌をMリーグの舞台で実践出来る朝倉。ここは『デジタル』らしい一面が垣間見えた瞬間であった。
南1局、朝倉の親番。
9巡目、残したにがくっつき、
朝倉は打! 即リーチにいくなら無筋待ちより、一段目に筋にかかっている待ちの方がアガリやすい。から打つことでマンズの変化は残しつつ、何を引いてもリーチにいける態勢に構えた。
次巡、
狙い通りにペン待ちでリーチだ!
は3山。
アガりたい朝倉。
だか、そこにたちはだかった者がいた。
白鳥だ! 無筋を2本切り飛ばし、宣言通りに朝倉にぶつかっていく!
激しいめくり合いとなった。
勝つのは白鳥か?
「ツモ」
白鳥だ!リーチツモタンヤオピンフ赤ドラの3100-6100!白鳥が一撃で朝倉を交わし去った!
南2局は親番の高宮が猛チャージ。一度1500をアガったあとに、
白鳥からリーチピンフ、2900は3200のアガリを決め、
さらにリーチツモピンフ裏、2600は2800オールをツモ。
そんな高宮の連荘を止めたのは、
朝倉だった。ドラドラ、5200は6100のアガリ。トップ目の白鳥に肉薄する。
南3局、亜樹の親番では、
針の穴を縫うような白鳥の七対子赤、3200のアガリが決まる。
さぁ、息詰まる熱戦も、いよいよオーラス。白鳥の親番となる。
ここで白鳥は高宮のドラポンが入る中、ツモピンフドラ赤の2600オールをツモアガる。
これで朝倉とはハネマン条件。
白鳥は、もう少し差をつけることが出来れば、好きなだけ親番で得点を重ねられる王様タイムに突入出来る。チームの点数を増やすチャンスだ。
南4局1本場、