自分の読みとツモが
見事に噛み合った、
堀慎吾の神業
6000オール!
文・危険な鬼太郎【月曜担当ライター】2021年12月27日
麻雀対局を観ていて一番盛り上がる瞬間はリーチ対決や、先制リーチに対しての押し返しだと思う。
アタリ牌のビタ止めもまぁまぁ盛り上がるが、やはり麻雀はアガってなんぼのゲーム。今回対局をする4選手は攻めっ気が強いのは勿論の事、かなり粘りが強い麻雀を打つ印象を私は持っている。
試合を観る前から荒れる試合になりそうだなと感じた。
【2回戦】
東1局 親・堀 ドラ
親番の堀がをポン!
手形が微妙なので人によってはこの発を鳴かない人もいるだろうが、堀に言わせればこれは鉄ポンなのだろう。
第一に鳴かずにメンゼンで勧めてもこの手は高くならない。巡目が進めば進むごとにも形的に鳴きにくくなり、結局1枚目のを鳴かなければ降りて流局を願う手になりかねない。
それならばと自分の連荘に懸けて鳴いたわけだ。
この堀の鳴きに対応したのが、これまた堀同様手牌が滅茶苦茶悪い松本。
この巡目から堀のに合わせ打ちをしてメンツを中抜く。自分の手牌にドラが無く価値が全くないので、堀に牌を絞りながら安全牌のを大事に抱える。
松本にしてみればを鳴いている堀も十分に怖いが、自分の手にドラが無いので寿人や本田の手も怖い。誰にドラが何枚あるのか分かったもんじゃないのでこの局のアガリは諦め、放銃をしないように繊細に立ち回っている。
そしてこの局は、
堀がド終盤で聴牌を入れてこれをすぐにツモり、のみの500オールで連荘する。
東1局1本場 親・堀 ドラ
堀が少し信じられない一打を打つ。堀がをツモってこれを秒でツモ切り。
を手残ししてを切ればソウズのからの横伸びでタンヤオピンフドラの好形に行けそうなので、常人ならば秒でを切りそうなものだ。ましてやが場に2枚も出ているので余計が切りやすい状況に見える。
堀はソウズの下が激烈に良すぎると感じたのだろう。2者がを早めに切っている。この二人はソウズの下は持っていなくてもも山にいるのではないだろうか? と。堀の狙い通りもも山に2枚ずついた。
そして堀は聴牌。
きっちりとを引いてリーチピンフ赤の盤石の待ち。このカンを捉えきれる打ち手は、そうはいないのではないだろうか。
そして堀はこれを一発ツモ。
リーチ一発ツモピンフ赤裏の6000オールのツモアガリ。自分の読みとツモがマッチしているかなり美しい局だなと感じる。
東1局2本場 親・堀 ドラ
寿人がまぶしい手牌で先制リーチを打つ。
リーチピンフ赤赤ドラドラの確定跳満待ち。これにダブをポンしている堀も
のダブで追いつく。寿人と堀の一騎打ちになるかと思いきや、堀の下家の本田が次巡堀が切ったをリャンメンチーし、
タンヤオドラ1のカン待ちの聴牌を入れる。手牌にさしたる安全牌も無いし、寿人の現物待ちなのでかなり渋々のチーに見える。
しかしそれは外で観ている我々だけの話であり、堀にとってはそうは見えない。
堀はをツモって長考。寿人のリーチには通っていない筋が多すぎるのでこの程度の牌は押す一手に見えるが… 問題は本田の鳴き。
本田はリャンメンを鳴いてド無筋のをリーチに対して切って来た。十中八九聴牌だろうし、リーチに対して攻め返しているのだから打点があるように見える。
故にここで堀は、
ここで打として降りを選択。本田の鳴きはリーチと同じ意味だと評価した訳だ。
そしてこの局は、
寿人がをツモって裏を1枚乗せて、リーチピンフドラ5の倍満をツモアガる。一撃が全員重過ぎる。
しかし、ここからが堀の麻雀の真骨頂。南1局の親番で、
このドラドラの5800をアガって2着目の寿人と点差を離すと、南3局の寿人の親番は自ら仕掛け、
のみの1000点をアガって2着目の寿人のマンガンツモ条件すらも消し、影も踏ませずにチームにトップを持ち帰る事に成功した。
昨年堀は、サクラナイツが準優勝になった事を誰よりも悔しがっていた。