ユニバースは忘れない 最高の笑顔で過ごせた火曜日の夜を【Mリーグ2021観戦記3/1】担当記者:ZERO/沖中祐也

特に6位のサクラナイツにとっては、セミファイナルをいい位置で迎えるためにも、ここらで順位を上げておきたい。現状7位のドリブンズが徹底マークされているように、セミファイナルでは5位・6位が不利になることがわかっているからだ。

また、レギュラーシーズンを上位で終えることで、日程的にも有利になる。

(参照)
1・2位→セミファイナルの最終日と前日に連続で試合
3・4位→セミファイナルの最終日に試合
5・6位→セミファイナルの最終日は休み

僅差の戦いの場合、最終日に試合があるかどうかで突破確率は大きく変わってくるのだ。

沢崎のドラ暗槓により、3人ともオリに回る。

(頼むからツモらないでよ沢崎さん!)

と、祈りの声が聞こえるような中…

リーチツモドラ4・裏1の30006000が炸裂する。

牌山も炸裂しているが、それはご愛嬌。

瀬戸熊としてはトップをまくられてしまったものの、ツモと言われた時点でハネマンが確定している分、最低打点で済んでよかったというところだろうか。

南2局

親番の瀬戸熊がまた「らしい」選択を見せる。

【南】のポンテンをスルーしたのだ!

嵌張待ちになってしまうが、ピンズの場況はいい。

いや、ピンズの場況がいいからこそワンスルーはありのかもしれない。

泥にまみれて、砂を噛むことになろうとも…

雷電は雷電のまま、戦い切る!

【5ピン】をツモってイッツーテンパイ。先制リーチを打っている松ヶ瀬に当然の追っかけリーチ!

この局、さらに日向が踏み込んできた。

遡ること3巡前

日向はここから【白】を切って完全イーシャンテンに構えた。

【4ソウ】が1枚切れ。普段の日向なら【4マン】を先に処理しているような気がする。

日向は、3人の捨て牌を見て【4マン】がそこそこ安全であることを確認したから目一杯に構えたのだ。

そして

123の三色こそ崩れたものの、メンピンドラ1で追っかけリーチ。

勝つのは、記録がかかっている日向か松ヶ瀬か。

瀬戸熊の執念のペン【3ピン】は、またしても敗れてしまうのか。

雷電が持つ暗黒の運命には逆らえないのか。

結果は…

松ヶ瀬から日向への8000。

瀬戸熊はアガることは叶わなかったが、放銃も親被りもせず、次善といったところか。

焦点の一局

こうして勝負の行方はもつれたまま、南3局を迎えた。

瀬戸熊・沢崎のトップ争いに日向まで追ってきて、松ヶ瀬も親なので可能性は十分にある。

「ポン」

またしても、重鎮の一声に緊張感が走る。

沢崎がドラの【1ピン】をポンしたのだ。

かなり遠い仕掛けだが、相手の足を止めつつ、終盤でのアガリを目論んだ狡猾なポンである。

このポンを受けた瀬戸熊の手牌。

ここから何を切るか。

イーシャンテンに構えたい、沢崎に危険なピンズを先に処理したい… となると打【4ピン】がチラつく。

しかしそうすると【4ソウ】【7ソウ】はチーとなり、この手牌は3900となってしまう。

3900だと沢崎から直撃しないとトップにはならない。

まだ南3局ではあるものの、この豊潤な手牌を前にしてそれはもったいないだろう。

俺は、俺は…

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