瀬戸熊直樹だ!
あくまでも門前リーチにこだわる2シャンテン戻し!
この手牌、多くのツモ… や、さらにマンズの1~9まで全てのツモで良い形のイーシャンテンに復帰できる。(ツモも)
ならば狭いイーシャンテンにこだわる必要はない。
たとえチームが敗走濃厚になっても、純粋な心で応援してくれる雷電ユニバースのために、1度でも多く笑顔を届けたい。
そう、雷電ユニバースは本当に純粋なのだ。
雷電が勝つと心から喜び、負けても前向きな言葉を口にする。
雷電が喜んでいると嬉しいし、苦しそうだと応援する。
うまくいかなくても、己の生き様を貫き続ける4人に自分の人生を重ねているのだろうか。
確率とか、期待値とか、効率とかではなく… あえて表現するなら「面白い」を体現する4人に、心底惚れ込んでいるのが伝わってくる。
これが、本当のファン、というものなんだろうな。
本来はもう牌すら見たくなかったのかもしれない。
しかし、どのチームのファンよりも熱くて純粋で最後まで応援してくれる雷電ユニバースのために、俺達が先に下を向くわけにはいかない!
ファンのため… という使い古された表現だが、雷電ユニバースが笑顔になってくれるためなら、俺達は俺達のまま最後の一牌まで戦い続ける!
をツモって打。盤石のイーシャンテン!
を切っていたら捉えられなかった手牌だ。
そして数巡後…
待望のテンパイ!
しかしは自分が使っているのと合わせて6枚見えている。
場況が良すぎて薄くなってしまう、麻雀あるあるだ。
ダマテンもあるか… いや、俺の麻雀は
リーチだ!
「チー」
瀬戸熊の切ったに松ヶ瀬が反応する。
ほぼ形式テンパイの鳴き。
あと無筋を何本切りとばすことになるかわからないが、この親番を落としたらMVPは遥か遠くに消え去ってしまう。
開幕から3戦連続で登板、途中では5戦連続で登板することもあった。
その期待に応え、MVP争いに絡むまでの活躍を見せることに。
個人のワガママかもしれない。でもそれだけの働きはしてきたし、チームも自分のMVPを望んでいるはずだ。
チームのため、自分のためにもこの親番は落としたくない!
その後もビシビシと無筋を切り飛ばしていく松ヶ瀬。
祈りを込めて牌山に手をのばすも、なかなツモれない瀬戸熊。
勝負の行方は…
この半荘初の流局となった。
沢崎の撹乱にも動じず、自分の型で攻めきった瀬戸熊、そして魂のケーテンを取りきった松ヶ瀬がぶつかりあったこの局が、唯一の流局となったものの、私にとっては一番見応えのある焦点の一局だった。
南4局1本場
松ヶ瀬の粘りも虚しく、親が落ちたオーラス1本場。
日向の配牌。↓
第一ツモでダブが重なる。
とはいえ、日向のトップ条件はハネマンのツモなので、かなり厳しい。
日向はを切った。遠くにメンホンチートイツなどを見ているものの、基本は3着確保に妥協することになりそうだ。
ダブをポンしてくっつきのイーシャンテン。ハネマンはもう望めない。
しかしその直後、沢崎から打たれたを日向はスルーしたのだ!
をポンすれば、タンキ。
おそらくすぐにアガって3着。沢崎のトップでこの半荘は終わっていただろう。