朝倉康心、復活の1戦!
俺たちの天鳳位が帰ってきた!
【Mリーグ2021 レギュラーシーズンメモリアル】文・第18代天鳳位ヨーテル【特別寄稿】
U-NEXT Piratesはチーム7位でレギュラーシーズン敗退。自身のスコアも30人中29位の-294と、本来の実力を発揮できない展開が続いた。試合が終わるたびに「内容が悪い」と言いながら控室に戻ってくる朝倉に、もどかしさを感じていたファンも多いだろう。
それでもチームの期待から今期の契約を継続された朝倉は、シーズンが始まる前にYoutubeチャンネルを開設し、視聴者とともに麻雀の練習に励んだ。
無論麻雀の練習などどの選手も欠かさずしている。しかし、このようにファンに見える形で自身の練習を公開してくれる姿には1ファンとして非常に好感を持てた。
朝倉康心、調整のほどは完璧か。
朝倉は10月14日・第1試合に出場する。
朝倉康心(U-NEXT Pirates)
高宮まり(KONAMI 麻雀格闘倶楽部)
二階堂亜樹(EX風林火山)
白鳥翔(渋谷ABEMAS)
東1局の親番で大量加点を果たし、リードで迎えた東3局3本場、ここで世間を驚愕させる朝倉の打牌が飛び出す。
ドラは。ドラ2となった朝倉はここから何を切ったか。
なんとツモ切りを選択。ドラツモ切り? 麻雀打ちが100人いたら1人くらいしか選ばない打牌なのではないだろうか。
その後、朝倉の手は聴牌を果たす。ドラ1のカンダマテン。しかし、7巡目にツモ。
朝倉が2巡目にを切らなければ
ドラこの高め倍満の聴牌を自然な手順で取れていたことになる。
朝倉はで5200を白鳥に打ち上げてしまう。
100人に99人はアガれたであろう手。しかし朝倉が1人の側だった故に5200の放銃となってしまった。
この選択には世間から疑問の声が多く上がった。当然だ、常識で考えれば切らない牌を切った上裏目を引いたのだから。
しかし朝倉は「切りで良いと思う。供託が多く、取られてしまうと自分のトップ率がかなり下がる。トップのためにアガり率を求めた結果」と選択を全く後悔していない様子だった。
正直、切りについての是非は非常に難しいと思う。最善手かと問われれば正直「?」だ。非難の声が上がるのも分かる。
しかし私はこの朝倉を見たとき、求めていた朝倉が帰ってきてくれたと感じた。
本来朝倉という選手は、オーソドックスな打牌選択を繰り返す選手ではない。時に我々が思いつかないような論理で、想定外の牌を切って結果を残してきた選手だ。
だが、不調だった昨シーズン、そんな朝倉の姿は鳴りを潜めていた。しかし、今年は違う。
結果は裏目だったとはいえ、この選択を後悔なく出来る朝倉ならもう心配はいらないだろう。
復活を遂げた朝倉、しかしその後の展開に苦戦を強いられる。白鳥に捲られ、跳満ツモ条件まで点差を引き離されてしまう。
オーラス。親は白鳥であるため、最終局となるか、白鳥がさらに加点して王様タイム突入となるか。
まずは白鳥が2つ仕掛けて聴牌。の片アガリだが、アガれば朝倉の跳満ツモ条件も消え、いよいよ王様タイムに突入することができる。
そんな中、朝倉も流局寸前に聴牌。単騎でリーチをかければ、の一発ツモか、一発ツモ裏で条件を満たす。
もちろん確率は紙のように薄い。しかし0ではない。わずかな望みにかけリーチにいくかと思われたが、
大丈夫だろうか。こういうシーンでダマを選択し、を一発で持ってくる朝倉の姿をよく見ているだけに不安になる。
しかし、冷静に考えてみよう。
白鳥が2副露していて聴牌は明白。もし自分がリーチしてしまえばノーテン宣言されてゲームが終わってしまう可能性が高い。
それがダマテンであればどうか。朝倉はノーテンの可能性がある。白鳥は朝倉と聴牌ノーテンで点差を広げれば、跳満ツモでもまくられなり、王様タイムに突入できる。
をツモる不安は本人も感じているだろうが…それでも朝倉はダマテンにして、白鳥が聴牌宣言をすることに賭けたほうが勝算があると判断した。
無事流局。白鳥の選択は…