ダマテンとリーチの秀逸な選択 魚谷侑未はMリーグの海を華麗に泳ぐ【Mリーグ2021観戦記3/25】担当記者:東川亮

高宮は東4局3本場、3巡目にして4枚目の【2ピン】をポンして動き出し、

【3マン】ポンからタンヤオ赤で1000は1300オールのツモアガリ、2番手に浮上。

このとき、魚谷にはタンヤオピンフイーペーコードラ赤のダマテンが入っており、

松本は国士無双の1シャンテンだった。相手の大物手をつぶせたという意味でも高宮のアガリは大きい。

東4局5本場は、瑞原が1巡目から【中】をポン。とりあえず役をつけて・・・という仕掛けだが、

こうなったらとりあえずどころではない。

すぐに出た2枚目の【發】を鳴いて、大三元の1シャンテンに。

大三元にはならなかったものの、小三元ドラ1の2000-4000は2500-4500で、点数を大きく回復する。

南1局には瑞原が魚谷から5800を出アガリ。これで各者の点数が詰まり、試合の行方は一気に混沌としてきた。

ここまでの魚谷は、タンピン系の高打点をダマテンに構えることが何度かあった。リードしていたことで、打点を犠牲にしてでもリスクを下げてアガリ率を高め、試合を進めていこうと考えていたのだろう。

だが、点差を詰められた以上、今度は自ら攻撃してもう一度リードを広げなければならない。ピンフドラドラ赤の手を手にした魚谷は、今度はリーチで牙をむいた。

瑞原の追っかけリーチもものともしない、一発ツモでの3000-6000は3100-6100。勝利を決定的なものにした一撃、ツモるときの力の入り方に、魚谷の強気な一面を見た。やはり、勝負どころの見極めはさすがだ。

この一勝は、チームにとっても自身にとっても大きい。勝った魚谷は、カメラに向けて小さくガッツポーズを決めた。

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