【西原理恵子 & 山崎一夫】麻雀友だちは長いつきあい。

麻雀友だちは
長いつきあい

小島武夫プロのお葬式には、麻雀プロをはじめとする麻雀界の方はもちろんのこと、他業界のみなさんもたくさん参列し、しめやかに執り行われました。

葬儀のお花もとても多くて、小島プロの交友の広さと深さが現れているように思いました。

そして弔電も。

参列者もお互いに久しぶりに会うなどで、思い出話などがあちこちで交わされてました。
前号の近代麻雀では若き日の小島武夫プロの写真を懐かしく見たり、馬場裕一プロの追悼文にシンミリ。

麻雀は人と人を繋ぐ魅力があり、小島プロはそれを広く長期に推し進めました。
意図してかどうかは不明。

勝負師として麻雀界のスターとしての飾らない振る舞いが、プラスの影響力をもたらしたようです。
結果的にマイナスの影響ももちろん有り。

小島プロのテレビでのイカサマ技の公開を真似て、それがバレて袋叩きにあったり。
麻雀プロ団体ができてからは、麻雀プロを目指したものの成果が出せずに挫折するなど。

でもそれは本人の選択と決断ですからね、好きな事へのチャレンジ自体は素晴らしいことだと思います。
私は近代麻雀に記事を書かせて貰うようになって、30年以上になります。

当時の麻雀仲間の紹介のおかげで縁ができたんです。

竹書房の若手編集者だった今の社長が
「巷の麻雀打ちで、現場の記事が書ける人を探してる」
という相談をゴールデン街の飲み仲間である「平凡パンチ」の編集者に持ちかけたそうです。

その編集者は私の麻雀仲間の梅ちゃん。

「それなら山ちゃんはどうかな。スポーツ紙で麻雀記事書いてるし」

当時は駒沢大学の学生だったんですが、スポーツ紙やエロ本に麻雀の記事を書いたり、ギャンブラーとして紹介されたり「高田馬場麻雀大会」を主催したりしてました。

学生と言っても7年在籍で…

ん、待てよ。すでに自主卒業してたかもしれません。
要は中退ですね。

そのスポーツ紙の記事のプロデュースは、今もつきあいの深いライターの島本慶さんで、エロ本の発行者は白夜書房の末井昭さんです。

当時末井さんは麻雀をやってなかったんですが、後にすっかりハマってしまい、今ではYouTubeの「麻雀たぬサロン」でホストもやってるし。

麻雀関係の人付き合いには大きなパワーを感じます。
私の場合は編集者に恵まれたことも大きい。

長年のコンビの西原理恵子さんが竹書房で連載を始めたばかりの頃、私は一目でその絵柄にほれ込み、編集長に紹介をして貰ったんです。

島本さんも末井さんも西原さんの才能に大感心。

末井さんが創刊した「パチンコ必勝ガイド」や神保町に編集部のある「週刊プレイボーイ」などで、銀玉親方としてパチンコの攻略記事を一緒に連載しました。

「立てばパチンコ座れば麻雀、歩く姿は馬券買い」

私は公営ギャンブルはあまりやりませんが、グレーなギャンンブルは手当たりしだいやりました。

ただし、構造上勝てないものは勝てないと書くので、ギャンブルで夢を提供するようなことはできません。

西原理恵子さんとのコンビで特に威力を発揮したのは、ファミコンやパソコンやスマホのゲーム作り。

パチンコや麻雀ゲームの企画が出た時に、西原さんの絵があると完成イメージが湧きやすいんでしょうね。

 

かつての死闘も
緩やかな交流に

小島武夫プロ、阿佐田哲也先生たちの麻雀新鮮組にも、もちろん優秀な編集者が付いていました。
後に麻雀名人戦の創設にも尽力した双葉社のMさんです。

出身とお住まいが早稲田大学近くの夏目坂なので、高田馬場のたぬにも以前は良く遊びに来てました。
やはり小島武夫プロのような豪快な麻雀です。

私は麻雀の読みはあまり当てにしないほうですが、Mさんの読みは偶然とは思えないような正確さ。
「週刊大衆」の麻雀名人戦は人気企画で、長い間雑誌の評判や売上に貢献していました。

井出洋介プロ安藤満プロや、ミステリー作家の綾辻行人さん(第30期名人位)たちが活躍していた20年ほど前のことです。

「山ちゃん、名人戦の記事書いてみない」

高田馬場近くのフォーシーズン・ホテルに観戦には良く行ってたもの、Mさんからまさかそんな話を振られるとは思っていませんでした。

それまでは井上康名義で最先端の麻雀戦術も書いていたMさんが記事を担当。
技術論と参加者の打ちスジに最も詳しいので最適です。

推薦してくれたのは、小島武夫プロや先に紹介したベテランプロの方たちだと後に聞きました。
優秀な編集者ですが大失敗。

私のドライな記事は不評だったらしく1年限りで降ろされてしまったのだ。
ちなみに近代麻雀での私の最初のコラムは、短期集中連載の予定だったそうですから、何事もやってみないと分かりませんよね。

小島プロ曰く
「Mさんとはプライベートな麻雀も良く打った。彼は強いよ。ま、多少は手を抜いてあげたけどね。ガハハハ」

一方のMさん
「編集者として小島さんに華を持たせる打ち方もしてたよ」

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