夢見たチーム復活、夢見た大舞台、夢見た初トップ、夢見た四暗刻……負けられない男たちによるプレミアムな夜の夢物語【Mリーグ2022-23観戦記1/6】担当記者:渡邉浩史郎

ドラが【9マン】であるため、たろうの仕掛けがマンガン以上であるケースはかなり絞られてきたところ。2900や5800の放銃リスク程度なら、今ある供託を拾いに行く+リーチで相手を抑えに行く価値が高いと判断しての選択。

凡人にはとらえられない1300のアガリ。打点は低いながらも、「間違えない男」仲林らしい美しいアガりといえよう。

 

【東2局1本場】

さらに仲林が小アガりを挟んでの連荘。


にわかにパブリックビューイング会場が騒ぎ立つ、内川のツモ。もはや内川と切っても切れない役満、四暗刻だ。

しかしそこに飛んできたのは仲林の親リーチ。この【2ピン】は内川の鳴ける牌だが……


気迫のスルー!というより浮いている【8マン】【6ソウ】も打ちにくく、鳴いてイーシャンテンでは勝負には行けないという判断だろう。

当然この【南】もスルー。その先には……


【7ソウ】!しかもちょうど【7マン】がノーチャンスになり、【8マン】が切れるように!

今こそ四暗刻の呪縛から……


解き放たれよう!

この特別な日に四暗刻聴牌!これが山に一枚!会場のサクラナイツサポーターのボルテージは最高潮!

しかし次の瞬間、たろうがこれを回収した。

パイレーツサポーターはこれでほっと一安心。

対するサクラナイツサポーターは一瞬の落胆の後、期待。

【南】が太郎の手からこぼれうるからだ。今度はドリブンズサポーターが戦々恐々。


しかしいくら押したがり聴牌取りたがりのゼウスたろうでも内川の押しを見逃すわけがない。【南】も、【8ソウ】すらも抑えて内川に通りそうな【2マン】切り。

熱いぶつかり合いは流局。まだまだ内川は四暗刻の呪いを解くことはできないのか。

 

【東3局】

一局アガリを挟んで親番を引き入れた滝沢。


配牌は良好。マンガンの種が明確に見えており、どんどん仕掛けていきたいところだ。

内川もタンヤオでまとまっている。速度勝負になりそうな一局に思えたが……


滝沢が2副露を入れている間に……

内川の手が膨れ上がる!


そして滝沢の聴牌に呼応するかのように……

内川が膨張する!またしても四暗刻聴牌!

サクラナイツサポーターの気持ちか、内川の気持ちか、はたまたその両方か。内川の呪縛を解き放たんと会場全体が熱を帯びていく。今回も山に一枚眠っている。


鬼気迫る熱い内川だが、対する滝沢は氷のように冷静。【赤5マン】を引いて、現物のドラ【1マン】切り。このカン【4マン】は純カラだったが……

【5マン】を引いて筋の【3マン】切り。これにて再び3山に待ちが復活。


そして滝沢に最後の選択が訪れる。【7マン】は無筋のワンチャンス。【5マン】はリーチに中筋だが、その際に待ちになるカン【6マン】は自身の副露で1枚、河に2枚の3枚切れでしかもフリテン。

残りツモは一回。滝沢の選択は……

卓上に、パブリックビューイング会場にキーンと響き渡る氷の一打。

【4ピン】【5ピン】の両面落としリーチだが、既に【5ピン】が河に4枚、【7ピン】【8ピン】も自身の目から4枚見えているので面子手としてみたときの組み合わせの候補がかなり薄くなっている。

七対子も含む対子手を考えると二枚見えの【7マン】より生牌【5マン】が危険だと判断した。

そしてなにより限界まで自身のアガリを見た。


そのアガリ牌は、いつもよりソフトに卓上に置かれたように見えた。

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