多井隆晴でも止められなかった 海の底で藻掻きながら それでも魅せた最速最強の矜持【Mリーグ2022-23観戦記2/10】担当記者:後藤哲冶

瑠美からのリーチが入った後、多井がカン【4マン】を引き入れて追い付いた……!
リーチドラ1の愚形だった手が、リーチタンヤオ三色赤赤の跳満にまで育った。
瑠美からの直撃であれば、2着まで見える。

多井が決死の思いで育て上げたこのリーチは。

再び海の底に沈められ――光を見ることは叶わなかった。

 

トップを掴み取ったのは東城。

苦しいチームに希望をもたらす7万点近いトップ。
天真爛漫ガールが、セガサミーフェニックスを牽引している。

多井は苦しいハコ下のラス。
東4局2本場でのハイテイ放銃に関して「もしかしたら他の牌を選べたかもしれない」と口にした。

こうして浅知短才の私が牌譜をひっくり返して、何時間も動画とにらめっこしても、あの場面の結論は【2ピン】になってしまいそうだが。
多井隆晴ならば、あらゆる要素を抽出して、違う答えを出してくれるのではないかと期待してしまう。

『多井なら止めてた』ファンは無責任にそんな言葉を口にするが、それは期待の裏返しでもある。

これからシーズンは終盤戦。エースである多井は重要な場面での登板が増えるだろう。
今日は苦しい試合内容だった。しかし半ば確信している。
この男ならば必ずポイントをプラスに戻し、チームを勝利に導くであろうことを。

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