2/17 第1試合
親の渋川のリーチを受け、何を切るか。
まず渋川の捨て牌に注目すると、ドラのがリーチ宣言牌である。
これは、好形か高打点かあるいはその両方が伴っていることが濃厚ということ。
なぜならリーチのみの愚形だったらテンパイを崩してにくっつけよう、となるのが普通だからだ。
それをふまえて瑞原の手牌を見てほしい。
ドラが3枚のチャンス手とはいえ、2シャンテンである。
が4枚見えていることから、→と切る選択がマジョリティではないか。
瑞原の選択は…
さほど迷わずにを押した。
「等身大」
麻雀には色んな要素がある。
さきほどの宣言牌からの読みだったり、点棒状況、山読み、手牌読み、人読み…などなど。
瑞原もそういった読みを取り入れる努力は惜しんでいるわけではない。
しかし、優先順位は絶対に間違えないようにしている。
瑞原にとって一番優先すべき要素は、自分の手牌。
自分の手が悪いからこそを止める。
自分の手が良いからこそを押す。
真理はいつもシンプルだ。
それか、よほど渋川が嫌いか。
この局は超弩級のイーシャンテンになったものの、渋川のツモアガリ。
その後、攻めの姿勢に牌が応え、アガリラッシュでトップになった。
こうして瑞原はチームメイトが不調の中ポイントを伸ばしていき、MVPまで2トップという位置まで来た。2年連続MVPとなれば、しばらくは破られることのない偉業となるだろう。
レギュラーシーズンも最終盤となったつい先日のこと。瑞原は1試合目にトップを取り、MVPまであと1トップまで迫った。こうして瑞原は自身初の連闘となる第2試合へと向かったのだ。
3/16 第2試合
手痛い放銃もあり、瑞原はラス目で親番を迎えていた。
瑞原はここからを切った。
ドラが1枚でもあればリーチを目指してを切りそうな手牌だ。
ただドラがない当局面では、マンズの一通、ドラ受け、789の三色を全部残す切りは、構想力の高さを感じる。
いや、構想力の前にまず慌てていない。落ち着いている。
ラス目の親番だと、ついリーチと言いたくて、受け入れを犠牲にできないものだからだ。
瑞原は卓上において、慌てるとか怖いとかいう感情とは無縁で、そういう意味ではメンタル強者と言える。
そのメンタルをどう構築したのか。
麻雀は評価が難しいゲームである。
どう打っても文句を言ってくる人がいる中で「自分の実力を評価されたいと思うことはナンセンスだ」と瑞原は語る。
見られると緊張する… という方は、評価されたいとか下手と思われたくないという気持ちがある証拠とも言える。
そういう気持ちはナンセンスどころか、背伸びしようとしたり、思考の邪魔となったりと、麻雀においてマイナスになることの方が圧倒的に多い。
こうして瑞原は評価されたいと思うことをやめ、今目の前の手牌の最善を探すことに没頭できているのである。
こうして構想通り高目一気通貫のテンパイ。安目ながら一発でアガって反撃の狼煙を上げる。
次局、
瑞原は茅森(下家)の切ったをポンして、を切った。
現状はダブしか役がないが、トイトイやホンイツ、重なりだったり…
ドラ引きだってある。
マルチ高打点ルートがあるポンはとても良い反応だったが、この手はアガあがれず、初の連闘は
2着で終わった。
そしてPiratesの最終日を迎える。
3/20 第2試合
Mリーグの話題はもっぱらMVP争いに注目が集まっていた。
この試合、MVPを目指す瑞原に手が入るもののアガリに結びつかず、ラス目に甘んじていた。
オーラス、ハネ満をツモれば伊達をかわして瑞原が暫定首位の座を奪うことができる。
そんな中、5巡目にタンピンドラ1のテンパイを果たすが、瑞原はを切ってダマに構えてしまう。