錨を上げろ!
特攻隊長・鈴木優が
先陣を切り
パイレーツの逆襲が始まる
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2023年4月17日
第1回試合
東家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
南家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
西家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
北家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
Mリーグ2022シーズンセミファイナル5日目。
U-NEXT Piratesの先発を任された鈴木優は、自身のTwitterで試合への意気込みをコメントしていた。
https://twitter.com/yu_suzuki_ABC/status/1647842765093617664
「今日ほど大切で負けられなくて結果が欲しい試合はありません」
先週からスタートしたセミファイナル。期間が短いとはいえパイレーツはまだ16試合を残している。
苦しい位置につけているパイレーツだが、直接対決の多い16試合と考えれば決してひっくり返らない点差ではない。
そんな中で、あえて今日の試合を大切だと語った背景には、今週の試合日程が関係していると思われる。
パイレーツは今週、月~金まで試合が続く怒涛の8連戦。今週1週間でセミファイナルの残試合の半分を消化することになる。
現在最下位のパイレーツにとって、今週1週間がセミファイナルの命運を分けるといっても過言ではないのだ。
運命の1週間。
仲間の想いとファンの願いを背負った優は、その第一試合を任された。
勝負の火ぶたが切って落とされた。
東1局は日向の満貫ツモとなり、優にチャンスが訪れたのは東2局。
3巡目の手牌。一応リャンシャンテンだが、一通や567の三色も見える。もちろん最速のリーチドラ1を目指すのも1つの手だ。
優の選択はだった。
リャンシャンテンには取らず、567の三色・平和ドラ1を本線としつつピンズ・ソーズで新たなブロックを作り出そうとする一打。
この選択の優秀なところは、一見三色を強く狙っているようで、一通など他の選択肢も消えていないところだ。
この牌姿で嬉しいツモと言えば、・やを引いてのピンズ三面張などがあるが、ツモによっては再び一通になる道もある。
例えばを引き、ソーズが重なって雀頭ができたケース。
この牌姿になれば、・引きでを払い、再び一通を狙うことができる。
が暗刻になった場合も同様に一通が狙えそうだ。
序盤だからこそ形を限定せず構えることで、全ての最高形を逃さない柔軟な一打と言える。
ここから嬉しいツモが押し寄せてくる。
次巡、カンをズバッと引き入れると
その次巡はカンが埋まる。苦しいところから埋まり好形が残っていく。
次巡、を引きカンでテンパイ。
ドラ1あるのでリーチもありだが、嬉しい手替わりが・・・・・と6種類もあるので、ここはテンパイ取らずのツモ切り。
そして2巡後、待望のを引き入れる!
育てに育てた最終形。優は一息おいてリーチをかける。
はそれぞれ1枚ずつが山に残っていた。
他家がオリを選択肢、流局かと思われたが…
優の執念が、高めのを引き寄せる。
リーチツモ平和三色ドラの跳満を決め、一躍トップに躍り出た。