浅井に送る視線。それはBeastとなる権利を得た因縁の相手を狩るチャンスをうかがうハンターの目線か。
浅井は二の矢が放てない。【南1局】、七対子ドラドラ、筋にかかった単騎でリーチを打つも……
2枚いたこの待ちは山から姿を見せることはないまま、早川に躱される。
【南3局】、自身の親番。を仕掛けて役チャンタ三色ドラ、マンガンの聴牌を早い巡目に入れる。
しかしこれすらも逢川の手によって躱される。
攻めて良し守って良しの女流雀王にやられっぱなしの雀王。最後に勝利の女神がほほ笑んだのは……
浅井だ!
奇しくも東2局に先制リードを決める形となった一気通貫の再来。これで浅井は自身初のトップを獲得した!
残り3半荘、目指すは141での通過とのこと。早速第3試合を迎える浅井、宣言通り最後まで攻めの姿勢は崩さないだろう。
第2試合結果
1位:浅井堂岐 +62.9
2位:逢川恵夢 +16.7
3位:早川健太 ▲25.9
4位:志岐祐大 ▲53.7
各人5回打ち終えての成績表がこちら。
いよいよ終盤戦がスタート。逢川一井はラスさえひかなければ通過可能なポジション。一方の一瀬は3トップが絶対条件という厳しい現実が突き付けられた。
三日目第三試合
「一井の一番長い日」
後のない下位陣が序盤から猛追を見せる。一瀬の1300・2600の和了りから始まり……
浅井がリーチツモ三色ドラ裏の跳満のツモ和了り。
さらには一井から一瀬へ、ダマテンのマンガンの和了り。
放銃した一井の顔も歪むというもの。いずれも自身は勝負手の形。
それならばせめて逢川の上に行きたいところだが……
【東4局】、その逢川が自身でピンポンダッシュと称する遠めの仕掛け出し。
打として手牌を無理に真ん中に寄せることはしない。
も仕掛けてイーシャンテン取らずの打。を切ってソウズのホンイツではないことをばらすよりも、ソウズのホンイツを常に意識させて相手の対応をうかがう作戦。
ただの無邪気なピンポンダッシュチャイルドではないことを見せつける。
そしてこの半荘、浅井にとって最も激痛となった選択がこちら。
広さの切りか、絶対良形の切りか。単純両面2つといった形ではないため、広さの切りにも魅力がある。
どちらもメリットデメリットがあるため、非常に難しいところだが……
浅井の選択は打。今持っているとの両面で勝負の形だ。
確かにどちらも浅井の目から見て悪くない両面。
次巡、浅井が並べたを逢川がポン! 打でトイトイに受ける。
こちらも浅井の両面落としが見えた中で、強気に打点に寄った選択だ。
あの時が切れていれば、このでの聴牌に取れていたかも……
浅井の目にもはっきり映ったifの世界線。しょうがないとはいえ、後悔するなというのは余りに酷だろう。