…というよりも山脇は真っ先に期待してる事があった。
「坂本の差し込み」だ。
坂本は山脇には役満でも打てる状況だ。
となれば、山脇がリーチをしてテンパイですよと宣言してくれた以上はすぐに差し込むのが坂本自身の勝ちへの一番の近道なのだ。
山脇のリーチの同巡に河野が条件を満たすテンパイを入れる。
山脇が出したリーチ棒によりどこからでも跳満の出アガリがOKになった。
「坂本さ~ん?? 私のラブコール届いていますよね??」
「も、もちろん、、んん~…」
「河野さんに通っていて僕の見えている枚数的にも一番埋まっていなさそうなコレ!」
「ありがと~う♡」
坂本からの一発での差し込みで河野の逆転テンパイを撥ね退けて見事に通過を決めたのは山脇だった。
総合2位通過を決めたのは山脇千文美。
予選1stステージでも見せた男勝りの大胆な選択と鋭い仕掛けを今回も存分に見せつけてくれた。
総合1位通過の坂本大志。
第1試合では大物手の連発で掴み取ったトップの貯蓄を上手く使いこなして圧巻の勝利となった。
いよいよ渋谷ABEMASの4名が待つ決勝トーナメントへ進出する最初の2名が決まった。
頂へ着実にステップアップする2名には更に厳しい壁が待ち構えている。
過酷なトーナメントを勝ち上がり1つしかない頂点の椅子に最後に君臨している選手は果たして誰なのか。
今後の戦いも要チェックだ!
見逃した方は是非Abemaにプレミアム加入して対局を見返そう!
あとがき ~努力の天才、坂本大志~
あの日彼は人目を憚らず泣いた。
麻雀で勝って泣いた。
泣きすぎて眼鏡の上から涙を拭こうとしていた。
第44期最高位・坂本大志
競技生活20年を超えるベテラン。
とにかく麻雀の勉強には余念が無い坂本。
東京、関西、東海、九州、北海道と全国各地での麻雀の勉強会に参加している。
まさに「麻雀バカ」
坂本の過去の栄光は全て努力の結果。
「努力の天才」が今回「M」の舞台でひと花咲かせようと更なる努力をしている。
力強く端的に想いを表現する坂本。
インタビューを見てもお分かりの通り口達者な方では無い。
だから坂本は麻雀のみで自分を表現してきた。
そんな男が今「M」の壁をぶち破り、努力の結果を開花させようとしている。
麻雀の勉強量は結果に比例する。
麻雀は運を超える技術がある。
坂本は牌を通じて私達に教えてくれようとしている。
画像引用:㈱スリーアローズコミュニケーションズ
最高位戦日本プロ麻雀協会46期前期。九州在住のプロ雀士。
麻雀と愛猫(ピンフ)を愛してやまない。嫁の小言にはベタオリ気味。
著書:最高位戦コラムFACES
Twitter:@aktk0207