ここが、私の「バトルフィールド」【Mリーグ2023-24観戦記 10/5】担当記者 ゆうせー

【4マン】だ!

中途半端にドラそばへの未練を残さない、きっぱりとした連荘狙いの軽い仕掛け。

ここで、ふと私の脳裏に、Mリーグ1年目の魚谷が思い浮かんだ。

1年目は、軽い仕掛けも交えて戦っていた記憶がある。初めての赤アリでの競技麻雀ということもあって手探りだった中、残念ながら結果は出なかった。

しかし、その経験を魚谷は活かした。

2年目には「価値ある手を作って、後手から押し返す」懐の深い雀風にモデルチェンジ。

破壊力を磨くとともに、手牌のスリム化により守備力もアップさせた魚谷は、見事2019年シーズンのMVPに輝いた。

その魚谷が、再び自分の雀風を変えようとしている。

この局は、

ひたむきな仕掛けが実を結び、魚谷は連荘に成功した。

続く南2局1本場では、

魚谷はここから、

【白】を打った!

今述べたように、昨年度までなら打【4ピン】としてスリム化を狙った先切りをしていたはずだ。

だが、今の魚谷は目一杯構えてテンパイチャンスを広げ、最速リーチからのアガリを見ている!

思うに、

一度成功したスタイルを変えるのには、想像を絶する勇気が必要だっただろう。

しかも、昨年Mリーグでは絶不調だったが、魚谷の場合は他の試合でタイトルを多数獲得し、「結果が出ている」のだ。

それでも、魚谷はMリーグで自らのフォームを変えることを決めた。

覚悟が感じられる、この局での【4ピン】残しであった。

この局は流局となったが、オーラスをトップ目で迎えた魚谷、

【7マン】【5マン】【6マン】でチーして、タンヤオでの自力決着を目指す。

仕掛けたのは、

ラス目の上家が、条件的に魚谷に対して絞れないのを考えてのことだ。

実際、このイーシャンテンから、魚谷の欲しい【3ピン】【5ピン】がこぼれ落ちる、

かに見えた。

滝沢は、凄まじい胆力で、場に1枚しか切れていない【東】を切った。七対子では絶好の待ちであるにもかかわらず、だ。

そして、

【3ピン】を重ねてテンパイ! 下家の魚谷をケアしつつ、ハネマン確定の手を作り上げた!

こうなると、トップ目の魚谷はオリとなる。【5ピン】は鳴けない。

タンヤオで仕掛けた親の優は、

必死の形相で、

どちらも通っていない【6ソウ】【7ソウ】の二択を決断し、テンパイを取りきった。

下家滝沢の6巡目の【8ソウ】が手出しだったので、【6ソウ】【8ソウ】【5ソウ】【6ソウ】への変化が濃いと見て、【7ソウ】を止めての打【6ソウ】だ。

さらに、

萩原もション牌の【中】を勝負しながら、仕掛けを駆使して形式テンパイを維持する。

そして、ハイテイが優に回る。

そこにいたのは、

【2マン】だ!

リーチ七対子ハイテイ赤ドラドラ。7ハンで12000のアガリ。

滝沢は3着まで浮上。優は手痛いラスに。

そして、萩原と魚谷の勝負は微差で魚谷に軍配が上がった。

結果として、【3ピン】をツモって決めた以前の雀風での小さなアガリが、横移動でのトップを呼びこむ形となった。

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