逆境の東城りお たとえ今日のトップは掴めなくとも ――私は明日を諦めない【Mリーグ2023-24観戦記 11/9】担当記者 #後藤哲冶

逆境の東城りお
たとえ今日のトップは
掴めなくとも
――私は明日を諦めない

文・後藤哲冶【木曜担当ライター】2023年11月9日

セガサミーフェニックスは、早くも正念場を迎えていた。

チームで唯一プラスなのは魚谷のみ。それ以外の3名は既に3桁以上の負債を抱えており、チーム全体のマイナスはついに400に差し掛かろうかという所。

その頼りの魚谷も、今日の第1試合では3着でマイナス。
チームに浮上のきっかけをもたらすには至っていない。

第2試合の先発を任されたのは、東城りお
直近の2試合で2連続ラスと苦しい展開が続いているが、今日こそその悪い流れを打破できるか。

11月9日 第2試合

東家 東城りお (セガサミーフェニックス
南家 鈴木優  (U-NEXT Pirates
西家 渡辺太  (赤坂ドリブンズ
北家 黒沢咲  (TEAM 雷電

第2試合は驚きと共に幕を開ける。

東1局、今シーズンここまで副露率1.41%という脅威の数字を叩き出している黒沢が、なんと【中】のポン。
流石に【發】【中】という役牌2種が手の内にあり、鳴かないとアガれなさそうということもあってここは冷静な判断。

【3ソウ】をツモアガって、400、700の加点。
黒沢が400、700という点数申告をすること自体が、あまりにもレアな気がするのだがどうだろうか。

東2局【1ピン】【4ピン】の先制リーチを打った太がこれを一発ツモ。
安目の【1ピン】ではあったが、裏ドラを2枚乗せて2000、4000のツモアガリ。
太がまずはリードを奪った。

東3局

親番を迎えた太がこの形から打【1マン】
【5マン】を切ればイーシャンテンだが、ここはタンヤオを強くみた打牌。
ピンズの4連形か、【5マン】にくっつけることで好形変化を狙った。

【6ピン】を引いて形が決まったが、それでも形は固定せず、太は【5マン】を引っ張る。
タンヤオで良い形だが、カン【5ソウ】の所が良形ではなく、【5マン】【6マン】【4マン】を引いたリャンメンは逃したくない。
トップ目とはいえまだ東3局。守備は一旦気にせず目一杯に手を広げるのが太の良いところだ。

黒沢がカンツになる【9ソウ】を持ってきて、思考に耽る。
形上はすぐにでもカンしたいが、役牌の【白】が2枚切れ、頼みの【1マン】【4マン】も、端にかかっている【1マン】が2枚切れた所だった。
これ以上形の変化が難しく、そして残っている形も変化が乏しい。

それでも、黒沢は強気にカンと言った。
2度受けではあるが、【1マン】【4マン】を引ければ十分勝負になると判断。

そのカンでドラが乗ったのが優。
真っすぐは【赤5ピン】だが、赤牌。できれば使いたい。
ならばタンヤオに一気に向かう【9ピン】か。

優が選んだのは、打【6マン】だった。
【赤5ピン】からの伸びはみつつ、イーシャンテンは崩さない。
【4マン】を切っており、カン【7マン】は即リーチに行きやすい。【8マン】切りが早い選手が2人いて、【7マン】の場況が良く、枚数も、【9ピン】が1枚見えている分、カン【7マン】の方が1枚多い。

これが上手くハマる。【7マン】を引き入れて【2マン】【5マン】のリーチへ。
絶妙なバランス感覚で優が先制リーチへたどり着いた。

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