麻雀AIの中に、僕はいる
渡辺太が選び続けるは、
麻雀の未来
文・後藤哲冶【木曜担当ライター】2023年11月16日
麻雀シンギュラリティこと、渡辺太が、先日のMリーグ出場後の牌譜検討にて面白い話をしていた。
曰く、麻雀AIの「NAGA」に存在するタイプの中に、100%渡辺太の打牌選択を取り込んだタイプがいるとのこと。
昨日の配信内で触れたのですが麻雀AI NAGAの複数あるタイプの内オメガが100%ふとしモデル、ニシキが1/3ふとしモデルとなっています。
NAGAの開発者の方と食事をした際に教えていただいて、公表していい情報とのことなのでお話ししました。他に誰がモデルになっているかは僕も知りません🐍 pic.twitter.com/OfeIMevxl0— 渡辺太/ないおトン (@Futokunaio) November 15, 2023
おそらく、AIの強化学習のために使った麻雀の牌譜が全て、渡辺太の牌譜、ということなのだと思う。
ネット麻雀で数々の偉業を打ち立てた太は、ついに麻雀AIのモデルにすらなってしまったのだ。
そんな渡辺太が節目ともいえるMリーグ通算10試合目。
麻雀というゲームに置いて、10試合というのはあまりにも少ないサンプル。
そんなことは太が一番わかっている。
しかしそれでも、少しでも良い結果を持ち帰るため。
今日も太が少しでも期待値の高い選択を選びに、卓へと向かった。
11月16日 第2試合
東家 渡辺太 (赤坂ドリブンズ)
南家 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家 鈴木優 (U-NEXT Pirates)
北家 菅原千瑛 (BEAST Japanext)
この第2試合東場はかなり穏やかな進行となった。
東1局に先制したのは優。
菅原から3900のアガリ。
この形からタンヤオで仕掛けていくのは戦闘民族の優らしいアガリと言えるだろう。
伊達の700オールを挟んで東2局は、リーチ者優の現物で待った菅原が伊達からを捉えて2600のアガリ。
東3局は3件リーチとなるも菅原がを伊達から捉えて再び2600のアガリ。
菅原はこの形からを外して好形を求めたのが功を奏した。
最終形がの三面張になっている。
この局の2件目リーチとなったのが太だったのだが、追っかけリーチに至る1つ前の選択が面白かった。
太はこの形から、打を選択。
確かにこうしておくとの縦引き6枚分テンパイの枚数は増える。
が、その増えた6枚はいずれもカンという愚形残りだ。
対して、を切っておくと最終形が良形確定することもあり、打の選択もある。
それでも、太の選択は打。良形テンパイ枚数は変わらず、愚形テンパイ枚数が6枚ついてくるなら、そちらを選ぼうという選択。
もも現状そこまで大差はない。
これが活きて、の縦引きをキャッチできた。
しかし、直前で菅原のリーチにが通って、太の手牌に安全牌が増えた。
自身はタンヤオのみの愚形ということもあってリーチには行かない打ち手も多そうだが。
それでも太は追っかけリーチ。でベタオリするくらいならば、リーチを打った方が得になると判断だった。
結果は実らなかったが、太のこの姿勢は次の東4局でも発揮される。