渋谷がのチーから発進。
渋川の仕掛けが高いと見るや、速度を合わせてかわし手に移行。
これを渋川から捉えた。
2900のアガリ。
渋川の手が8000点の勝負手だったこともあって、このかわし手は大きな意味を持つ。
トップ目からでも果敢に仕掛けた渋谷に軍配。
2本場でも、渋谷は手順を間違えない。
「ポンする前提で進めようか」
南ポンするのであれば、現状一番弱いターツはカン。
の受け入れが3種類あるマンズの形を残しつつ、手を進めていく。
これも渋川から捉えて更に1500のアガリを手にすると。
3本場は、まずドラの南を1打目に処理して、他家の高打点を牽制。
自分は678の三色をギリギリまで見ていたが、このをポンしたことで、ここも1500でOKの姿勢に切り替える。
「何回でもツモろう。チームに得点を持って帰ろう!」
電光石火の渋谷のアガリに、誰も付いて来ることができない。
この圧巻の6連続アガリで、トップを確固たるものにすると。
最後は、渋川が苦渋の2着確定アガリをして。
見事渋谷がトップを獲得したのだった。
4着には、龍惺ろたん。
ほとんど出番が無かった上に、悪天候だったこの日は雷が苦手なろたんにとっては厳しい戦いだったか。
チームはまだまだプラスなので、次に切り替えて欲しいところだ。
3着に、風見くく。
南3局4本場になんとか8000点のアガリで3着にはなったものの、まだトップ獲得とはならない。
神域初トップは、次回に持ち越しだ。
「おめでとーう!」
「ないすー!」
渋谷が控室に戻り、チームメイトと喜びを分かち合う。
「かなり渋の邪魔してたよ」
「気持ちええ~!」
コーチである渋川を倒し、上機嫌な渋谷。
渋谷個人としてみれば、昨年度の第4節以来、1年と1ヶ月ぶりの神域リーグトップだ。
昨年からずっと煮え切らない展開が続いていただけに、このトップは嬉しいだろう。
渋谷は今日、相手からの攻撃に怯えることなく、積極的に仕掛けに挑んでいた。
それがこのトップを呼び込んだと言えるだろう。
実は、とても良い事をコーチングしてもらった渋川に、渋谷は教えてもらっていたのだ。
それは、相手が誰であっても、それこそ、コーチの渋川だったとしても。
じゃがいもだと思え、ってね。
最高位戦日本プロ麻雀協会47期前期入会。麻雀プロ兼作家。
麻雀の面白さと、リアルな熱量を多くの人に伝えるため幅広く活動中。
Twitter:@Kotetsu_0924